天雷无妄(てんらいむぼう)の意味
計らいを捨て、天の動きに身をまかせる。易の第25卦「天雷无妄」は、上に乾(天)、下に震(雷)を重ねた卦です。キーワードは「ありのまま」「天の運び」「作為を捨てる」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1天雷无妄の意味
動き方:慎重に進む
无妄は「みだりでない」「偽りがない」という意味です。下の雷が自然に動き、上の天がそれを包む形で、作為のない誠実な動きを表します。卦辞は、正しくあれば大いに通じるが、道から外れれば災いを招くと告げます。この卦の要は、うまく立ち回ろうとする計算を手放すことです。損得の読みや小細工は、天の運びの前ではかえって裏目に出ます。また爻辞には、身に覚えのない災いも語られます。思いがけないことが起きても、あわてて手を加えず、まっすぐな心で受け止めると道が開けます。
天のもとで雷が鳴りわたり、大地のあらゆるものが目を覚ます姿です。人の思惑とは関係なく、季節が来れば雷が鳴り、草木が伸びる。そうした自然な運びがそのまま形になっています。
自分の計画とは関係なく、物事が勝手に動いているように感じる時期です。よかれと思った工夫が空回りしたり、予想外の出来事に振り回されたりしているかもしれません。思い通りにならない歯がゆさを抱えていそうです。
心がけ:結果を操ろうとする気持ちをいったん脇に置きましょう。目の前のやるべきことを誠実にこなし、余計な駆け引きはしないこと。思わぬ出来事にも、慌てて手を打つより様子を見るほうが賢明です。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
大いに通じ、正しさを守ることが大切です。正しくなければ災いがあり、どこかへ進んでいってもうまくいきません。
3テーマ別の読み方
天雷无妄が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
无妄にして往く。吉。
偽りのない、ありのままの心で進んでいけば、吉です。
占いでは:始まりの段階で、純粋な動機がそのまま力になる時です。周りの思惑や損得を考えすぎず、心からやりたいと思うことに素直に取り組んでください。最初の誠実さが、後の流れを良い方向へ導きます。
この爻が変わると之卦は 第12卦 天地否
耕さずして穫り、菑せずして畬す。則ち往く攸有るに利ろし。
耕すときに収穫を考えず、開墾するときに豊かな畑を期待しません。そうであれば進んでうまくいきます。
占いでは:見返りを先に計算せず、目の前の作業そのものに打ち込むと道が開けます。結果は後からついてくるもの。今の努力をすぐに成果へ結びつけようとせず、淡々と手を動かし続けてください。
この爻が変わると之卦は 第10卦 天沢履
无妄の災い。或いは之に牛を繋ぐ。行人の得るは、邑人の災いなり。
身に覚えのない災いです。誰かがつないでおいた牛を通りがかりの人が持ち去り、村の人が疑われてしまいます。
占いでは:自分に落ち度がないのに、疑われたり巻き込まれたりする出来事が起こりやすい時です。感情的に反論せず、事実を記録して淡々と説明しましょう。持ち物や大事な書類の管理も見直しておくと安心です。
この爻が変わると之卦は 第13卦 天火同人
貞にすべし。咎无し。
正しい姿勢を守り続けられます。それなら過ちにはなりません。
占いでは:動きたくなる気持ちがあっても、今の持ち場を守るほうが得策です。新しい手を打たず、すでに決めた方針を貫いてください。ぶれずにいれば、問題は自然に収まり、周りの信頼も揺らぎません。
この爻が変わると之卦は 第42卦 風雷益
无妄の疾。薬すること勿くして喜び有り。
思いがけない病のような困りごとです。むやみに薬を使わなくても、やがて喜びがあります。
占いでは:突然の問題が起きても、あわてて大きな対策を打つ必要はありません。原因が自分にないなら、時間とともに落ち着くことが多い時です。ただし体の不調については自己判断せず、専門家の意見を聞いてください。
この爻が変わると之卦は 第21卦 火雷噬嗑
无妄にして行けば眚有り。利ろしき攸无し。
偽りのない心であっても、行き過ぎて進めば災いがあります。得るものはありません。
占いでは:正しいことでも、時期を外して押し進めると反発を招きます。もう十分に動いた後なので、ここで止まる判断が大切です。正しさを主張し続けるより、一歩引いて周りの準備が整うのを待ちましょう。
この爻が変わると之卦は 第17卦 沢雷随
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 天雷无妄は吉ですか、凶ですか?
A. 卦辞は「大いに通じる」と始まり、正しくあれば吉の卦です。ただし計算や小細工が混じると災いに転じます。結果を操ろうとせず、誠実に今やるべきことを果たす人には、天の流れが味方する卦です。
Q. 无妄の災いとはどういう意味ですか?
A. 自分に落ち度がないのに降りかかる、思いがけない災難のことです。爻辞では、つないでおいた牛を旅人が持ち去り、村人が疑われる例が語られます。起きてしまったら慌てずに事実を示し、普段からの誠実さで乗り越えることが大切です。
Q. 天雷无妄の読み方は?
A. 「てんらいむぼう」と読みます。易の64卦の第25番目の卦で、上の卦が乾(天)、下の卦が震(雷)です。短く「无妄」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
