山天大畜(さんてんたいちく)の意味
山が天を抱くように、大きな力をたくわえる。易の第26卦「山天大畜」は、上に艮(山)、下に乾(天)を重ねた卦です。キーワードは「大きな蓄え」「学びを積む」「力をためる」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1山天大畜の意味
動き方:進んでよい
大畜は「大いにたくわえる」という意味です。下の乾の勢いを上の艮が止め、力を外に漏らさず内に積み上げていきます。小畜が風の小さな引き留めなら、こちらは山の大きな器です。大象は、昔の人の言葉や行いを多く学び、自分の徳を養えと説きます。知識・技術・資金・人脈など、何かを十分にため込んだ先には、家にこもらず外へ出て大事業に挑む道が開けます。爻辞は、ためる途中は止まって備え、最後には天の大通りに出ると語ります。止める時期と進む時期の切り替えがこの卦の鍵です。
どっしりした山の中に、広い天がまるごと収められている姿です。下の天は力強く進もうとし、上の山がそれを受け止めてとどめています。勢いを抑えながら、内側に大きな力をため込んでいる景色です。
やりたいことは山ほどあるのに、何かに止められて思うように動けないと感じているかもしれません。けれどそれは、力を内側に蓄えるための大切な期間です。目には見えにくくても、準備は着実に進んでいます。
心がけ:今のうちに学び、技を磨き、資金や人のつながりを貯めておきましょう。先人の経験に学ぶことが特に役立ちます。準備が整ったら、内にこもらず外に出て大きく挑んでください。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
正しさを守るのがよい時です。家で食事をとらずに外で働けば吉で、大きな川を渡るような大事業にも向いています。
3テーマ別の読み方
山天大畜が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
厲うきこと有り。已むに利ろし。
このまま進むと危ういことがあります。いったん止まるのがよいのです。
占いでは:やる気はあっても、まだ準備が足りない段階です。ここで飛び出すと、思わぬところで足止めを食らいます。計画を練り直し、力をためる期間だと割り切ってください。止まる勇気が後の大きな前進を生みます。
この爻が変わると之卦は 第18卦 山風蠱
輿、輹を説く。
車軸を留める金具を外して、自分から車を止めます。
占いでは:自分の判断で、いったん動きを止める場面です。周りから急かされても、無理に車を走らせる必要はありません。外した金具はまた付け直せます。休んでいる間に道具や体調を整えておきましょう。
この爻が変わると之卦は 第22卦 山火賁
良馬逐う。艱しみて貞なるに利ろし。曰く輿衛を閑う。往く攸有るに利ろし。
良い馬で駆けていきます。苦労を忘れず正しく保ち、日ごろから車の扱いと守りを練習しておけば、進んでうまくいきます。
占いでは:ため込んだ力を使って、走り出してよい段階に来ました。ただ、勢いに任せるだけでは危ういので、準備や守りの練習を怠らないでください。仲間と足並みをそろえれば、遠くまで駆けていけます。
この爻が変わると之卦は 第41卦 山沢損
童牛の牿。元吉。
まだ角の生えていない子牛に、早めに角止めの横木を付けておきます。大いに吉です。
占いでは:問題が小さいうちに手を打つことが大きな幸運を呼ぶ時です。悪い習慣や将来のトラブルの芽は、今なら楽に抑えられます。子どもの教育や新人の指導にも、この早めの備えが生きます。
この爻が変わると之卦は 第14卦 火天大有
豶豕の牙。吉。
去勢した猪は、牙があっても暴れません。勢いを根本からおさめるので吉です。
占いでは:荒々しい勢いを、力ずくではなく根本から和らげる知恵が求められます。相手の牙を折ろうとせず、争う理由そのものを取り除いてください。原因に手を入れれば、自然と穏やかな状況に変わります。
この爻が変わると之卦は 第9卦 風天小畜
天の衢を何う。亨る。
天の大通りを担って進むように、道が大きく開けて通じます。
占いでは:蓄えの期間が終わり、四方に道が開けた時です。これまで抑えていた計画を外へ広げてかまいません。ここまで積み上げた経験と信頼が、あなたを大きな通りへ運んでくれます。遠慮せず歩き出して。
この爻が変わると之卦は 第11卦 地天泰
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 山天大畜は良い卦ですか?
A. 大いに蓄えることを表す、吉の卦です。学びや資金、経験を十分に積んだ先に、大きな挑戦の道が開けると読みます。今はまだ止められていると感じても、それは力をため込む期間です。準備を重ねるほど、後の伸びが大きくなります。
Q. 大畜と小畜はどう違いますか?
A. どちらも「たくわえる」卦ですが、風天小畜は風が天をわずかに引き留める程度の小さな蓄えです。山天大畜は山が天を丸ごと抱える大きな蓄えで、ためた力を使って大事業に出ていける点が違います。
Q. 山天大畜の読み方は?
A. 「さんてんたいちく」と読みます。易の64卦の第26番目の卦で、上の卦が艮(山)、下の卦が乾(天)です。短く「大畜」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
