火天大有(かてんたいゆう)の意味
天高く輝く太陽、すべてを照らす豊かさ。易の第14卦「火天大有」は、上に離(火)、下に乾(天)を重ねた卦です。キーワードは「大いなる所有」「真昼の太陽」「おごらない」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1火天大有の意味
動き方:大いに進んでよい
火天大有は「大いに有つ」、つまり多くのものを手にしている卦です。卦辞はただ「元いに亨る」とだけ言い、迷いのない吉を示します。ひとつの柔らかな陰が尊い位にあり、周りの強い陽がみな従っている形で、人望と実りが集まる様子をあらわします。大象は、豊かな時こそ悪をおさえて善を広め、天から与えられた良い巡り合わせに素直に従えと教えます。持っているものが多いほど、おごりや独り占めが落とし穴になります。光を周りに分けるつもりでいると、この豊かさは長続きします。
上に火、下に天。空の一番高いところで太陽が燃え、地上の隅々まで光を注いでいます。正午の日差しのもと、畑の実りも人の営みもくっきりと見わたせる、豊かで明るい景色です。
これまでの努力が実り、人や物、チャンスが手元に集まってきている時です。周囲からも注目されやすく、自信を持って動ける状態にあります。そのぶん、気が大きくなりやすい時期でもあるようです。
心がけ:手にしたものを独り占めせず、関わってくれた人に分けましょう。調子のよい時ほど、小さな悪い習慣や不正の芽を早めに摘んでおくこと。感謝を言葉にすると、良い巡りがさらに続きます。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
大いに通じる。物事が根本から伸びやかに運び、思い描いたことが大きく実りやすい。
3テーマ別の読み方
火天大有が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
交わり害うこと无し、咎に匪ず。艱めば則ち咎无し。
まだ人と深く交わらず、害を受けることもないので、とがめではない。苦労を心に置いていれば、とがめはない。
占いでは:豊かさの入口で、まだ大きな付き合いや利害に巻きこまれていない段階です。楽な道に慣れず、苦労を忘れない心がけでいれば、後に手にする豊かさも傷つきません。
この爻が変わると之卦は 第50卦 火風鼎
大車以て載す。往く攸有り、咎无し。
大きな車に荷を積んで運ぶ。行く先があって進んでも、とがめはない。
占いでは:重い責任や多くの荷を引き受けても、運びきる力が備わっている時です。器の大きさを生かして、任された役目を目的地まで運びましょう。進んで差し支えありません。
この爻が変わると之卦は 第30卦 離為火
公用て天子に亨せらる。小人は克わず。
諸侯が天子のもてなしを受ける。器の小さな者には、それはできない。
占いでは:上の立場の人から認められ、招かれるような晴れの場面です。手柄を自分のものだけにせず、上へ差し出す度量があってこそ受けられる栄誉です。私心を出すと台なしになります。
この爻が変わると之卦は 第38卦 火沢睽
其の彭なるに匪ず。咎无し。
あふれるほどの盛んさを誇らない。そうすれば、とがめはない。
占いでは:力も持ち物も十分にあり、つい見せびらかしたくなる位置です。勢いを誇示せず、ひかえめに振る舞えば、妬みや反発を受けずに済みます。豊かさを静かに使いましょう。
この爻が変わると之卦は 第26卦 山天大畜
厥の孚、交如たり威如たり。吉。
その誠実さで人と交わり、しかも威厳がある。吉。
占いでは:真心で人と接しながら、きちんと締めるところは締める、という理想の上に立つ姿です。優しさだけでも厳しさだけでもなく、両方を備えると周りから自然に信頼されます。
この爻が変わると之卦は 第1卦 乾為天
天より之を祐く。吉にして利ろしからざる无し。
天が助けてくれる。吉で、うまくいかないことはない。
占いでは:豊かさの極みでなお謙虚さを失わず、天の助けを受ける最上の位置です。思いがけない後押しが入りやすい時ですが、驕らずに感謝を保つことが、その助けを呼び続けます。
この爻が変わると之卦は 第34卦 雷天大壮
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 火天大有は良い卦ですか?
A. はい、64卦の中でも特に恵まれた大吉の卦とされます。人も物も多く集まり、実りの多い時です。ただ豊かさにおごると運を損ねるので、周りに分け与える気持ちを忘れないことが大切です。
Q. 恋愛で火天大有が出たら?
A. 魅力が輝き、好意を受けやすい時です。積極的に動いてよい流れですが、選べる立場に慢心すると信頼を失います。相手への感謝と誠実さを言葉にすると、恋はより実りあるものになります。
Q. 火天大有の読み方は?
A. 「かてんたいゆう」と読みます。易の64卦の第14番目の卦で、上の卦が離(火)、下の卦が乾(天)です。短く「大有」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
