火沢睽(かたくけい)の意味
炎は上へ、沢は下へ。違いを知って歩み寄る。易の第38卦「火沢睽」は、上に離(火)、下に兌(沢)を重ねた卦です。キーワードは「食い違い」「小さく合わせる」「違いを認める」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1火沢睽の意味
動き方:慎重に進む
火沢睽は、炎は上へ、水は下へと、それぞれ逆の方向へ向かう卦です。人と人の心が背き合い、意見や目的が食い違う時を表します。卦辞は「小さな事には吉」。大きな計画や重大な合意をまとめるには向きませんが、身近な小さなことなら、違いがあっても十分うまく運べます。大象は「同じでありながら異なる」と説きます。目指すところは同じでも、やり方や考えは違ってよい。違いを無理に消そうとせず、認め合ったうえで共通点を探すことが、この卦の知恵です。疑いの目で見ると味方も敵に見えるので要注意です。
下が沢、上が火。炎は上へ燃え上がり、沢の水は下へと流れていく景色です。同じ場所にありながら、向かう方向は正反対。互いに背を向け合う、すれ違いと食い違いの姿です。
周りの人と考えが合わず、話がかみ合わないもどかしさを感じている時期です。家族や同僚と小さな行き違いが続き、相手が自分を誤解しているように思えるかもしれません。心の中で孤立感が強まり、疑い深くなりやすい状態です。
心がけ:大きな話をまとめようとせず、小さく合意できるところから手をつけてください。相手の違いを「間違い」と決めつけず、「別の見方」として受け止めること。疑いが湧いたら、確かめる前に判断しないことです。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
心が背き合い、意見が食い違う時です。大きな事を成し遂げるのは難しいものの、小さな事なら良い結果が得られます。
3テーマ別の読み方
火沢睽が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
悔亡ぶ。馬を喪うも逐う勿れ、自ずから復る。悪人を見れば咎无し。
後悔は消える。馬を失っても追わなくてよい、自然に戻ってくる。嫌な相手とも会っておけば問題はない。
占いでは:すれ違いが始まったばかりの段階です。離れていったものを無理に追いかけなくても、縁があれば自然に戻ってきます。苦手な相手も避けすぎず、普通に接しておく方がこじれません。
この爻が変わると之卦は 第64卦 火水未済
主に巷に遇う。咎无し。
仕えるべき主人に、路地裏で思いがけず出会う。正面からでなくても問題はない。
占いでは:正式な場では話が通らなくても、思わぬ場所で心強い相手に出会える時です。形式にこだわらず、偶然の出会いや裏道のような手段を生かすと、物事がうまく運びます。
この爻が変わると之卦は 第21卦 火雷噬嗑
輿の曳かるるを見る。其の牛掣めらる。其の人天せられ且つ劓らる。初め无くして終わり有り。
車が後ろへ引き戻され、牛は止められ、乗る人は額と鼻を傷つけられる。はじめは悪いが、終わりは良い。
占いでは:引き戻されたり邪魔されたりして、ひどい目に遭っているように感じる時です。それでも、始めは悪くても終わりは良いと示されています。今の障害に負けず、粘り強く持ちこたえてください。
この爻が変わると之卦は 第14卦 火天大有
睽きて孤なり。元夫に遇い、交々孚あり。厲うけれども咎无し。
背き合って孤立する中で、善良な人に出会い、互いに信じ合う。危うさはあるが問題はない。
占いでは:周りと背き合って孤独を感じる中、心から信じ合える相手に出会える時です。危うさはありますが、まごころで結ばれた関係が支えになります。一人で抱え込まず、信頼できる人を頼って。
この爻が変わると之卦は 第41卦 山沢損
悔亡ぶ。厥の宗、膚を噬む。往くも何の咎かあらん。
後悔は消える。仲間が柔らかな肉をかむように、たやすく打ち解け合う。進んで何の問題があろうか。
占いでは:後悔が消え、仲間とたやすく打ち解けられる時です。すれ違っていた相手とも、思い切って歩み寄れば関係が修復します。ためらわずに自分から一歩近づいてください。
この爻が変わると之卦は 第10卦 天沢履
睽きて孤なり。豕の塗を負い、鬼を一車に載するを見る。先に弧を張り、後に弧を説く。寇に匪ず婚媾す。往きて雨に遇えば吉。
孤立して疑い深くなり、泥まみれの豚や化け物を積んだ車の幻を見る。弓を構えたが下ろす。敵ではなく縁組みの相手だった。雨に遇えば吉。
占いでは:疑いが極まり、味方まで敵のように見えている終わりの段階です。弓を構えた相手が、実は縁を結びに来た人だったということも。思い込みを解けば、雨が汚れを洗うように心が晴れます。
この爻が変わると之卦は 第54卦 雷沢帰妹
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 火沢睽は悪い卦ですか?
A. 人の心が背き合う卦なので、大きな事をまとめるには向きません。ただ卦辞は「小事には吉」としており、小さなことなら十分うまくいきます。違いを認め合い、疑いを解くことで、すれ違いは歩み寄りに変わります。
Q. 恋愛で火沢睽が出たら別れのサイン?
A. 別れと決まったわけではありません。価値観や気持ちのすれ違いが表れやすい時期だという知らせです。大事な結論は急がず、小さな楽しみを共有して心を通わせて。違いを認め合えれば、関係はむしろ深まります。
Q. 火沢睽の読み方は?
A. 「かたくけい」と読みます。易の64卦の第38番目の卦で、上の卦が離(火)、下の卦が兌(沢)です。短く「睽」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
