雷沢帰妹(らいたくきまい)の意味
心の弾みだけで嫁ぐ娘を戒める卦。易の第54卦「雷沢帰妹」は、上に震(雷)、下に兌(沢)を重ねた卦です。キーワードは「順序の乱れ」「感情に流されない」「終わりを見通す」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1雷沢帰妹の意味
動き方:守りに徹する
帰妹は「妹をとつがせる」という意味の卦です。若い娘が、喜びの勢いのまま年上の男性のもとへ嫁ぐ姿で、正式な順序を踏まない縁を表します。卦辞は「進めば凶、良いところがない」と厳しく告げます。占いでは、感情に流されて決める、手順を飛ばす、不釣り合いな立場に飛びこむといった危うさを示します。ただし大象は、物事を長く続けるために、どこで傷みが出るかを先に知っておけと説きます。今の喜びだけでなく、その先の暮らしや関係の終わり方まで見通す目を持てば、危うさは避けられます。控えめな立場で誠実に務める道も残されています。
下に沢、その上に雷がある形です。雷が鳴ると沢の水面がざわめき、波立つ景色です。上の動きにつられて下が喜んで揺れ動く様子は、気持ちの高まりにまかせて、よく考えずに相手についていく姿にたとえられます。
気持ちが高まり、勢いで何かを決めたくなっているようです。周りから見ると順序が逆だったり、自分に合わない立場に入ろうとしていたりするかもしれません。今の喜びに目を奪われ、先の見通しが甘くなりやすい状態です。
心がけ:決める前に、半年後や数年後の姿を思い描いてみましょう。舞い上がった気持ちのままでは、見落としが出ます。順番を飛ばしていないか、自分の立場に無理がないかを確かめること。目立たない役回りでも、誠実に務めれば道は開けます。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
このまま自分から進んでいけば凶となり、何をしても得るところがありません。今は動くべき時ではないと告げています。
3テーマ別の読み方
雷沢帰妹が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
妹を帰がしむるに娣を以てす。跛にして能く履む。征けば吉。
娘が控えの立場で嫁ぎます。片足が利かなくても歩けるように、進めば吉です。
占いでは:主役ではない立場から始まる場面です。不満を感じても、控えの役割を誠実に果たせば、着実に前へ進めます。できることは限られていても、自分の持ち場で力を尽くせば、周りの信頼を得られます。
この爻が変わると之卦は 第40卦 雷水解
眇にして能く視る。幽人の貞に利ろし。
片目でもよく見えます。目立たず静かに暮らす人のように、正しさを守るのがよいです。
占いでは:相手や環境に恵まれず、思うように力を発揮できない時です。それでも見るべきものは見えています。表に出ようとせず、静かに自分の信念を守り続けましょう。控えめな姿勢が、やがて正当な評価につながります。
この爻が変わると之卦は 第51卦 震為雷
妹を帰がしむるに須を以てす。反って帰ぐに娣を以てす。
娘が待つ身で嫁ごうとしますが、結局は控えの立場で嫁ぐことになります。
占いでは:望みが高すぎて、思い通りの形にはならない場面です。理想にこだわるほど、かえって低い立場に甘んじることになります。今の自分の位置を受け入れ、そこから誠実に積み上げていくほうが、最後は報われます。
この爻が変わると之卦は 第34卦 雷天大壮
妹を帰がしむるに期を愆る。遅く帰ぐに時有り。
娘が嫁ぐ時期を逃します。遅れても、嫁ぐのにふさわしい時はやって来ます。
占いでは:周りより遅れているようで、気がもめる時です。けれど、急いで妥協する必要はありません。遅れたのは、より良い時を待つためと考えましょう。自分を安売りせず、ふさわしい機会が訪れるのを待つのが吉です。
この爻が変わると之卦は 第19卦 地沢臨
帝乙、妹を帰がしむ。其の君の袂は、其の娣の袂の良きに如かず。月望に幾し、吉。
王が妹を嫁がせます。花嫁の袖は付き添いの袖ほど華やかではありません。満月に近い頃で、吉です。
占いでは:高い立場にありながら、飾らず控えめに振る舞うことで運が開ける時です。見た目の華やかさで張り合う必要はありません。満月の一歩手前のように、満ちきらないつつましさを保てば、良い結果が得られます。
この爻が変わると之卦は 第58卦 兌為沢
女、筐を承けて実无く、士、羊を刲きて血无し。利ろしき攸无し。
女性が捧げ持つ籠には中身がなく、男性が羊を割いても血が出ません。良いところはありません。
占いでは:形だけ整っていて、中身が伴っていない状態です。約束や体裁を取りつくろっても、実りは得られません。このまま続けるより、一度立ち止まって本当に望むものは何かを見つめ直すことが、次の縁への出発点になります。
この爻が変わると之卦は 第38卦 火沢睽
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 雷沢帰妹は凶の卦ですか?
A. 卦辞は「進めば凶」と告げる、注意の卦です。ただ、怖がる必要はありません。気持ちの勢いや順序の乱れに気をつけ、先の見通しを持って判断すれば、危うさは避けられます。控えめな立場で誠実に務めることで道が開けます。
Q. 結婚の占いで雷沢帰妹が出たら?
A. 勢いで決めることへの戒めです。相手の状況や条件、二人の将来の暮らしを冷静に確かめましょう。家族や信頼できる人の意見を聞き、時間をかけて見極めれば、後悔のない選択ができます。
Q. 雷沢帰妹の読み方は?
A. 「らいたくきまい」と読みます。易の64卦の第54番目の卦で、上の卦が震(雷)、下の卦が兌(沢)です。短く「帰妹」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
