風山漸(ふうざんぜん)の意味
雁が水辺から空へ、段階を踏んで進む卦。易の第53卦「風山漸」は、上に巽(風)、下に艮(山)を重ねた卦です。キーワードは「順を追って進む」「渡り鳥の歩み」「良縁が実る」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1風山漸の意味
動き方:進んでよい
漸は「すすむ」、それも少しずつ順を追って進むことを表す卦です。卦辞は、昔の婚礼が段取りを一つずつ踏んで行われたように、物事を正しい順序で進めれば吉だと告げます。爻辞には雁が登場し、水辺から岩、陸、木、丘へと一段ずつ居場所を移していく姿が描かれます。渡り鳥が季節の順を守って旅をするように、手順と時機を守ることが成功の鍵です。大象は、優れた徳に身を置いて周りの風習を良くせよと説きます。近道を選ばず着実に進めば、恋愛や結婚をはじめ、仕事でも信頼に裏打ちされた実りが得られます。
下に山、その上に木がある形です。山の上に根を張った木が、風雪に耐えながら年ごとに少しずつ背を伸ばしていく景色です。急には育ちませんが、高い場所でゆっくり育った木は、遠くからも見える立派な姿になります。
物事は動き出していますが、進み方はゆっくりです。もっと早く結果がほしいと感じるかもしれません。けれど流れそのものは確かで、一段ずつ足場が固まりつつあります。人との縁も少しずつ深まっている時期です。
心がけ:順序を飛ばさないことを大切にしましょう。挨拶、相談、準備と、手順を一つずつ踏むほど結果は確かなものになります。近道や裏技に飛びつかず、雁が隊列を守って飛ぶように、周りと歩調を合わせて進むと吉です。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
娘が手順を踏んで嫁いでいくように進めば吉です。正しさを守ることが肝要です。
3テーマ別の読み方
風山漸が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
鴻、干に漸む。小子厲うし、言有れども咎无し。
雁が水辺へ少しずつ進みます。若い者には危うく、とやかく言われますが、咎めはありません。
占いでは:何かを始めたばかりで、経験不足を指摘されやすい時です。周りの声にひるむ必要はありません。言われたことは素直に受け止めつつ、自分のペースで足場を固めていけば、問題なく次の段階へ進めます。
この爻が変わると之卦は 第37卦 風火家人
鴻、磐に漸む。飲食衎衎たり、吉。
雁が大きな岩の上へ進み、楽しげに飲み食いします。吉です。
占いでは:安定した足場を得て、心にゆとりが生まれる時です。仲間と食事を囲むような和やかな時間が運を育てます。手に入れた安心を独り占めせず、周りとも分かち合うと、さらに喜びが広がります。
この爻が変わると之卦は 第57卦 巽為風
鴻、陸に漸む。夫征きて復らず、婦孕みて育わず、凶。寇を禦ぐに利ろし。
雁が陸へ進みます。夫は出かけて戻らず、妻は子を宿しても育ちません。凶ですが、守りを固めるには良いです。
占いでは:順序を飛ばして進み、足場のない所に出てしまった状態です。今は攻めるより守りに回るのが正解です。無理な遠出や新しい挑戦を控え、身近な人や家を守ることに力を注げば、難は避けられます。
この爻が変わると之卦は 第20卦 風地観
鴻、木に漸む。或いは其の桷を得、咎无し。
雁が木へ進みます。水鳥には止まりにくい所ですが、平らな枝を見つければ咎めはありません。
占いでは:慣れない環境に置かれ、居心地の悪さを感じる時です。それでも、自分に合う場所や頼れる人をうまく見つければ落ち着けます。柔軟な姿勢で周りに合わせることが、その場で根を下ろす鍵です。
この爻が変わると之卦は 第33卦 天山遯
鴻、陵に漸む。婦三歳まで孕まず、終に之に勝つ莫し、吉。
雁が丘へ進みます。妻は三年も子を宿しませんが、最後には誰もさまたげられず吉です。
占いでは:高い位置に着いたものの、望む結果が出るまでに長い時間がかかる時です。じゃまが入っても、正しい道を進んでいれば最後には思いが通じ合います。待つ時間を信頼を育てる期間と考えましょう。
この爻が変わると之卦は 第52卦 艮為山
鴻、陸に漸む。其の羽用て儀と為すべし、吉。
雁が高い空の道へ進みます。その羽は儀式の飾りとして用いることができ、吉です。
占いでは:段階を踏んで進んできた道のりが完成し、人の手本となる位置です。これまでの経験や姿勢そのものが、周りの模範として尊ばれます。地位や利益にこだわらず、後に続く人に道を示しましょう。
この爻が変わると之卦は 第39卦 水山蹇
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 風山漸は良い卦ですか?
A. 良い卦です。順序を守って少しずつ進めば、確かな成果が得られることを示します。特に結婚や縁談には吉とされます。急ぐと失敗しやすいので、手順を一つずつ踏んでいくことが大切です。
Q. 恋愛で風山漸が出たら結婚できますか?
A. 結婚に縁のある卦です。ただし一気にではなく、交際を重ね、挨拶や話し合いなど段取りを丁寧に踏んだ先に実ります。時間をかけて関係を育てれば、周りに祝福される結びつきになります。
Q. 風山漸の読み方は?
A. 「ふうざんぜん」と読みます。易の64卦の第53番目の卦で、上の卦が巽(風)、下の卦が艮(山)です。短く「漸」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
