巽為風(そんいふう)の意味
風のように、すき間から静かに入りこむ。易の第57卦「巽為風」は、上に巽(風)、下に巽(風)を重ねた卦です。キーワードは「しなやかさ」「従う力」「繰り返し伝える」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1巽為風の意味
動き方:進んでよい
巽は、風のようにしなやかに入りこみ、従うことを表します。卦辞は「小しく亨る」。自分が先頭に立って大きく動くより、優れた人や流れに沿って進むことで道が通る時期です。大象は、風が続いて吹くように、方針を何度も伝えてから物事を行うことを説きます。一度言って終わりではなく、繰り返し丁寧に伝えることで人は動きます。ただし従うばかりで自分の考えがなくなると、迷いに変わります。柔らかさの中に芯を持つことが、この卦を生かす鍵です。
上にも下にも風。風が次々と吹き重なり、わずかなすき間からも入りこんでいく景色です。目には見えなくても、繰り返し吹くことで木々の枝を同じ方向へなびかせる、穏やかで粘り強い力を表します。
周りの意見や状況に合わせながら動いている時期です。相手に寄り添える柔軟さがある一方、決めきれずに迷いやすく、あちらこちらに気持ちが揺れているかもしれません。頼れる人の存在が大きな意味を持っています。
心がけ:信頼できる目上の人や経験者に相談し、その導きに沿って動きましょう。伝えたいことは一度で済ませず、形を変えて何度か伝えると届きます。迷いが続くときは期限を決めて選ぶことです。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
小さなことは通ります。目指すところへ進むのがよく、優れた人物に会って教えを受けるのがよいときです。
3テーマ別の読み方
巽為風が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
進退す。武人の貞に利ろし。
進むか退くかで迷っています。武人のようにきっぱり決める正しさが役に立ちます。
占いでは:始まりの段階で、どちらに進むか決めきれずにいる暗示です。迷い続けるほど機会は遠のきます。武人が号令一つで動くように、思い切って方針を決めること。決めたあとは迷いを持ち込まないことが大切です。
この爻が変わると之卦は 第9卦 風天小畜
巽いて牀下に在り。史巫を用うること紛若たれば、吉にして咎なし。
寝台の下にいるほど身を低くします。祈りの言葉を尽くすように誠意を重ねて伝えれば、吉で咎もありません。
占いでは:へりくだりすぎるほど低い姿勢でいるときです。ただ、その謙虚さに真心がこもっていれば吉に変わります。思いを丁寧に、言葉を尽くして伝えましょう。形だけの遠慮ではなく、誠意を示すことが大切です。
この爻が変わると之卦は 第53卦 風山漸
頻りに巽う。吝。
何度も従ってはまた反発し、従い方が定まりません。恥をかくことになります。
占いでは:心から納得していないまま、表向きだけ従うことを繰り返している状態です。そのぶれは周りにも伝わり、信用を損ねます。従うならきちんと従い、異論があるなら一度はっきり伝えると、気持ちが楽になります。
この爻が変わると之卦は 第59卦 風水渙
悔亡ぶ。田して三品を獲。
後悔は消えます。狩りに出て、三種類の獲物を手に入れます。
占いでは:これまでの迷いや悔いが消え、具体的な成果が得られる暗示です。上と下の間に立つ立場でも、謙虚に動けば実りは大きくなります。得たものは独り占めせず、周りに分けると信頼が増します。
この爻が変わると之卦は 第44卦 天風姤
貞なれば吉にして悔亡ぶ。利ろしからざるなし。初めなくして終わりあり。庚に先だつこと三日、庚に後るること三日なれば吉。
正しくあれば吉で悔いは消え、すべてうまくいきます。出だしは悪くても終わりは良く、改める前後に三日ずつ考えれば吉です。
占いでは:物事を改めるのに良い時期です。最初はうまくいかなくても、最後には良い結果が出ます。変える前に三日かけて準備し、変えたあとも三日かけて様子を見る。その丁寧さが成功を確かなものにします。
この爻が変わると之卦は 第18卦 山風蠱
巽いて牀下に在り。その資斧を喪う。貞なれども凶。
寝台の下にもぐるほどへりくだり、資金も身を守る斧も失います。正しくても凶です。
占いでは:相手に合わせすぎて、自分の財産や判断の力まで手放してしまう暗示です。遠慮が行き過ぎると、守るべきものを守れません。ここは線を引くべき場面です。譲れないものを書き出し、それだけは手放さないと決めましょう。
この爻が変わると之卦は 第48卦 水風井
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 巽為風は良い卦ですか?
A. 小さく通る、穏やかな吉の卦です。自分から強く押すより、優れた人の導きや周りの流れに沿うことで道が開けます。ただし従うばかりで迷いが深まらないよう、自分の芯は持っておきましょう。
Q. 巽為風が出たとき、どう動けばいい?
A. 信頼できる人に相談し、その助言に沿って進むのがよいときです。伝えたいことは繰り返し丁寧に伝えると届きます。迷いが長引くなら、期限を決めて選ぶことが大切です。
Q. 巽為風の読み方は?
A. 「そんいふう」と読みます。易の64卦の第57番目の卦で、上の卦が巽(風)、下の卦が巽(風)です。短く「巽」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
