天風姤(てんぷうこう)の意味
風が運ぶ出会いを、見極めてから迎える。易の第44卦「天風姤」は、上に乾(天)、下に巽(風)を重ねた卦です。キーワードは「思わぬ出会い」「誘惑に注意」「広く伝える」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1天風姤の意味
動き方:慎重に進む
天風姤は、五本の陽の下に、一本の陰がふいに入りこんできた卦です。「姤」は思いがけず出会うという意味。偶然の出会いや、予想外の出来事が舞い込む時を表します。卦辞は「強すぎる相手を妻に迎えるな」と警告します。魅力的に見える出会いや話ほど、深入りする前によく見極めることが大切です。小さな陰の力は、放っておくと少しずつ広がっていきます。一方で大象は「上に立つ者が命令を広く行きわたらせる」と説き、風が四方に届くように、伝えるべきことを伝えるのには良い時。出会いを生かすも危うくするも、見極め次第です。
下が風、上が天。空の下を風が吹き渡り、あらゆるものに触れていく景色です。風はどこへでも入りこみ、思いがけない場所で何かと出会います。天の下に小さな力がふいに入りこんできた、偶然の出会いの姿です。
思いがけない出会いや誘い、急な話が舞い込んでいる時期です。新鮮で魅力的に感じる一方、どこか心がざわつく感覚もあるかもしれません。流れに乗りたい気持ちと、本当に大丈夫かという迷いが入り混じっている状態です。
心がけ:魅力的な話ほど、すぐに飛びつかず一歩引いて見極めてください。小さな違和感は早めに確かめ、深入りする前に線を引くこと。自分の考えや方針は、風が届くように周りへはっきり伝えておくと誤解を防げます。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
勢いの強い女性が現れる。その女性を妻に迎えてはいけない。思いがけない出会いに、よく注意すべき時です。
3テーマ別の読み方
天風姤が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
金柅に繋ぐ。貞にして吉。往く攸有れば凶を見る。羸豕孚に蹢躅す。
金属の車止めにしっかりつなぎとめる。正しく守れば吉。進めば凶に遇う。やせた豚が、今にも暴れ出そうとうろつくようだ。
占いでは:小さな問題や誘惑が入りこみ始めた段階です。今のうちにしっかり歯止めをかければ大事には至りません。放っておくと、やせた豚が暴れ出すように手に負えなくなるので、早めに対処を。
この爻が変わると之卦は 第1卦 乾為天
包に魚有り。咎无し。賓に利ろしからず。
包みの中に魚がある。自分で抱えている分には咎めはないが、客に出すのはよくない。
占いでは:手元にある良いものや情報は、自分の管理下に置いている限り問題ありません。人に広めたり、外に出したりすると扱いに困ります。今は身内の範囲で大切に抱えておくのが賢明です。
この爻が変わると之卦は 第33卦 天山遯
臀に膚无く、其の行くこと次且たり。厲うけれども大いなる咎无し。
腰を落ち着ける場所がなく、歩みがはかどらない。危ういが、大きな過ちにはならない。
占いでは:落ち着く場所がなく、進むことも決められずにいる時です。危うさはあるものの、無理に出会いを求めて動かなければ大きな失敗にはなりません。腰を据えて待つことが身を守ります。
この爻が変わると之卦は 第6卦 天水訟
包に魚无し。起てば凶。
包みの中に魚がない。この状態で事を起こせば凶となる。
占いでは:手元にあるはずのものがなく、人の心も離れかけている時です。この状態で事を起こすと、うまくいきません。まずは身近な人との信頼を取り戻し、足元を固め直してください。
この爻が変わると之卦は 第57卦 巽為風
杞を以て瓜を包む。章を含む。天より隕つる有り。
大きな杞柳の葉で瓜を包み込むように、美しさを内に秘める。やがて天から恵みが降ってくる。
占いでは:美しさや実力を内に秘め、時を待っている時です。自分から見せびらかさなくても、天から降ってくるように良い機会が訪れます。品位を保ち、包み込むような度量で構えていてください。
この爻が変わると之卦は 第50卦 火風鼎
其の角に姤う。吝なれども咎无し。
角の先で出会う。気まずく恥ずかしい思いをするが、咎めはない。
占いでは:出会いの終わり、角の先でぶつかるように、関わりがぎくしゃくする時です。気まずさはあっても、大きな問題にはなりません。距離を置くことで、かえって自分を守れる場面です。
この爻が変わると之卦は 第28卦 沢風大過
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 天風姤は悪い卦ですか?
A. 思いがけない出会いを表す卦で、良い出会いにも危うい出会いにもなりえます。卦辞は「強すぎる相手を迎えるな」と注意しており、魅力的な話ほど見極めが大切です。深入りする前に確かめる慎重さがあれば、出会いを生かせます。
Q. 恋愛で天風姤が出たら?
A. 偶然の出会いや急な接近が起こりやすい時です。ときめきを感じても、相手の本心や事情を確かめてから距離を縮めてください。浮気や三角関係の誘いには乗らないこと。時間をかけて見極めれば、良い縁を選び取れます。
Q. 天風姤の読み方は?
A. 「てんぷうこう」と読みます。易の64卦の第44番目の卦で、上の卦が乾(天)、下の卦が巽(風)です。短く「姤」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
