沢天夬(たくてんかい)の意味
堤が切れる前に、言葉で決着をつける。易の第43卦「沢天夬」は、上に兌(沢)、下に乾(天)を重ねた卦です。キーワードは「決断」「きっぱり断つ」「力に頼らない」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1沢天夬の意味
動き方:慎重に進む
沢天夬は、下から五本の陽が勢いよく伸び、最上段に残った一本の陰を押し出そうとする卦です。「夬」は決める、断ち切るという意味で、長く続いた問題に決着をつける時を表します。卦辞は、悪を公の場で明らかにし、まごころから呼びかけよと告げます。ただし「武力に訴えるのはよくない」。力ずくで押し切るのではなく、筋道と言葉で堂々と片をつけることが大切です。危うさがあるので、まず身近な所から固めること。大象は「恵みを下に施し、徳を鼻にかけない」と説きます。勝って驕れば、新たな火種を生みます。
下が天、上が沢。天よりも高い所に沢の水が満ち、今にもあふれ出しそうな景色です。たまりにたまった水が堤を押し、一気に決壊する寸前。積み重なった力が、きっぱりと決着を迫る姿です。
長く引きずってきた問題に、いよいよ決着をつける時が近づいています。我慢の限界が来ていたり、周りも「そろそろはっきりさせるべきだ」と感じていたりする状況です。勢いは味方していますが、そのぶん気が立ちやすくなっています。
心がけ:決断はきっぱりと、しかし手段は穏やかに選んでください。感情的にぶつかるより、事実を整理して公正な場で伝えること。勝ったあとも相手を追い詰めすぎず、周りに配慮を分け与えると、後に恨みを残しません。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
悪を王の朝廷で明らかにし、まごころから呼びかける。危うさはある。まず身内に告げ、武力に訴えるのはよくない。進むことはよい。
3テーマ別の読み方
沢天夬が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
前趾に壮んなり。往きて勝たざれば咎と為す。
足の先にばかり力が入る。進んでも勝てなければ、それが過ちとなる。
占いでは:勢いだけで飛び出しやすい始まりの時です。準備も勝算もないまま挑めば、失敗して後悔することになります。足先ばかり先走らず、勝てる見込みを確かめてから動くようにしてください。
この爻が変わると之卦は 第28卦 沢風大過
惕れて号ぶ。莫夜に戎有るも、恤うる勿れ。
用心して警戒の声を上げておく。夜中に敵が来ても、心配はいらない。
占いでは:警戒を怠らず、備えを固めている時です。用心して身構えていれば、思いがけない出来事が起きても慌てずにすみます。心配しすぎることはありませんが、油断だけはしないでください。
この爻が変わると之卦は 第49卦 沢火革
頄に壮んなり。凶有り。君子は夬夬として独り行く。雨に遇いて濡るるが若く、慍らるること有れども咎无し。
決意が顔に出てしまうと凶。君子はきっぱりと一人で行き、雨に濡れて仲間に疑われ怒られても、咎めはない。
占いでは:怒りや決意が顔に出て、周りと衝突しやすい時です。一人で決然と進むことが誤解され、仲間から責められることも。それでも筋を通していれば、最後には問題はありません。
この爻が変わると之卦は 第58卦 兌為沢
臀に膚无く、其の行くこと次且たり。羊を牽けば悔亡ぶ。言を聞くも信ぜず。
落ち着いて座れず、歩みもためらいがち。羊を引くように人の後ろに従えば後悔は消えるが、その言葉を聞いても信じない。
占いでは:落ち着かず、進むも退くもためらっている時です。人の後ろについていけば後悔は消えますが、助言を聞いても素直に信じられない状態に。意地を張らず、信頼できる人の言葉に耳を傾けて。
この爻が変わると之卦は 第5卦 水天需
莧陸夬夬たり。中行なれば咎无し。
根強い草をきっぱりと刈り取るように決断する。偏らない道を行けば咎めはない。
占いでは:根深い問題を、きっぱり断ち切る決断をする時です。情に流されそうになっても、偏らない正しい道を行けば問題はありません。中途半端にせず、最後まで決断を貫いてください。
この爻が変わると之卦は 第34卦 雷天大壮
号ぶこと无かれ。終に凶有り。
泣き叫んでも、助けを呼ぶ相手はいない。最後には凶となる。
占いでは:決着の最終段階で、押し出される側に立っている状態です。泣き叫んでも流れは変えられません。執着を手放し、潔く身を引くことで次の道が開けます。早めに心の整理をつけてください。
この爻が変わると之卦は 第1卦 乾為天
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 沢天夬は良い卦ですか?
A. 決断と決着の卦で、長く続いた問題にけりをつける力を持っています。ただ卦辞には「危うさがある」「武力はよくない」とあり、力ずくで押し切ると逆効果です。言葉と筋道で堂々と決着をつければ、良い結果につながります。
Q. 恋愛で沢天夬が出たらどういう意味?
A. あいまいな関係にはっきり答えを出す時期だという知らせです。告白や関係の見直しに向いていますが、感情をぶつけるのは避けて。誠実に気持ちを伝え、相手を追い詰めない言い方を選べば、すっきりした結果が得られます。
Q. 沢天夬の読み方は?
A. 「たくてんかい」と読みます。易の64卦の第43番目の卦で、上の卦が兌(沢)、下の卦が乾(天)です。短く「夬」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
