水天需(すいてんじゅ)の意味
空に雨雲、食べて休んで雨を待つ。易の第5卦「水天需」は、上に坎(水)、下に乾(天)を重ねた卦です。キーワードは「時を待つ」「信じて備える」「恵みの雨」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1水天需の意味
動き方:待つ
水天需は、待つことの意味を教える卦です。需は、雨を待つ姿から生まれた字で、求めるという意味も持ちます。雲が空に昇っても、雨は降るべき時にしか降りません。卦辞は、まことの心があれば明るく通り、やがて大きな川を渡れると約束しています。占いで出たときは、実力も準備もあるのに、まだ機が熟していない状態です。大象が、飲んで食べて楽しむ、と説くように、焦って動くより、心身を養いながら落ち着いて時機を待つことが、成功への道になります。
下に天、上に水です。空いっぱいに雨雲が昇り、もうすぐ恵みの雨が降りそうな景色です。強い天の力は前に進もうとしていますが、行く手には川が流れています。雨が落ちるのを、力をたくわえながら待っている姿です。
やりたいことははっきりしているのに、周りの事情や時期のせいで動けずにいます。目の前に川があって、渡る舟が来るのを待っているような状況です。じりじりしても、今は無理に渡る時ではありません。
心がけ:待つ時間をむだにせず、体を休め、おいしいものを食べて力をたくわえましょう。信じて待つ心を持ち続けることが大切です。危うい場所に近づきすぎず、安全な場所で機会を見はからってください。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
まことの心があれば、明るく大いに通ります。正しさを守れば吉で、時が来れば大きな川を渡るような冒険も成功します。
3テーマ別の読み方
水天需が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
郊に需つ。恒を用うるに利ろし。咎无し。
町はずれの野原で待っています。いつもどおりの暮らしを続けるのが良く、過ちはありません。
占いでは:危険からまだ遠い場所で待っている、始まりの段階です。特別なことをする必要はありません。普段どおりの生活を淡々と続けてください。落ち着いた日々の中で、待つ力が自然と養われます。
この爻が変わると之卦は 第48卦 水風井
沙に需つ。小しく言有り。終には吉。
川べりの砂地で待っています。少し人から何か言われますが、最後には吉となります。
占いでは:目的に少し近づき、周りから小言や噂をされやすい時です。気になっても言い返さず、聞き流しましょう。砂地のように足元はまだ安定していませんが、落ち着いて待てば最後はうまく収まります。
この爻が変わると之卦は 第63卦 水火既済
泥に需つ。寇の至るを致す。
ぬかるみの中で待っています。自分から、外敵を招き寄せてしまいます。
占いでは:危うい場所に近づきすぎて、身動きがとれなくなりかけています。待ちきれずに前へ出たことで、余計な敵や問題を呼んでしまう形です。一歩下がって、守りを固めることを優先してください。
この爻が変わると之卦は 第60卦 水沢節
血に需つ。穴より出づ。
血の流れるような危険の中で待っていますが、やがて穴から抜け出します。
占いでは:苦しい状況の真ん中にいますが、逃げ道はあります。逆らって暴れるより、流れに身を任せて耐えることで、穴から抜け出せます。周りの声に耳を傾け、従うべきところは素直に従いましょう。
この爻が変わると之卦は 第43卦 沢天夬
酒食に需つ。貞にして吉。
酒や食事を楽しみながら待っています。正しさを守っていれば吉です。
占いでは:待つ時間を楽しめる余裕がある、最も良い爻です。必要なものはそろっていて、あとは時を待つだけです。人と食事をし、心を和ませながら過ごしてください。ゆとりある態度が成功を呼びます。
この爻が変わると之卦は 第11卦 地天泰
穴に入る。速かざるの客三人来たる有り。之を敬すれば終には吉。
穴の中に入ります。招いていない客が三人やって来ますが、敬ってもてなせば、最後には吉です。
占いでは:待つ時期が終わりに近づき、思いがけない人や出来事が舞いこみます。招いていない相手でも、追い返さず丁寧に迎えてください。意外な来客が、行き詰まった状況を開く鍵になります。
この爻が変わると之卦は 第9卦 風天小畜
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 水天需が出たときはどれくらい待てばいい?
A. 期間は決まっていませんが、雨雲が集まっているように、機会はもう近くまで来ています。周りの状況が整った、助けが来た、などの合図が見えたら動く時です。それまでは準備と休養に時間を使いましょう。
Q. 水天需は吉と凶どちらですか?
A. 基本は吉の卦です。卦辞はまことの心があれば明るく通り、大きな川を渡るのにも良いとしています。ただし焦って動くと、ぬかるみにはまるように苦労します。待つことができれば良い結果になります。
Q. 水天需の読み方は?
A. 「すいてんじゅ」と読みます。易の64卦の第5番目の卦で、上の卦が坎(水)、下の卦が乾(天)です。短く「需」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
