天水訟(てんすいしょう)の意味
天と水がすれ違う、争いは半ばで収めて。易の第6卦「天水訟」は、上に乾(天)、下に坎(水)を重ねた卦です。キーワードは「争いごと」「途中で引く」「はじめが肝心」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1天水訟の意味
動き方:守りに徹する
天水訟は、争いや訴えごとを表す卦です。上の天と下の水が反対方向へ動くように、互いの考えがかみ合わない状態です。卦辞は、自分に正しさがあっても、最後まで争い抜けば凶になると戒めています。途中で用心して手を引くこと、公平な第三者に間に入ってもらうことが吉への道です。また大象は、物事を始めるときによく計画せよと説きます。占いでは、勝ち負けにこだわらず早めに収める知恵と、こじれる前に約束や取り決めをはっきりさせることが大切です。
下に水、上に天です。天は上へ上へと昇り、水は下へ下へと流れていきます。同じ場所から出発しても、向かう方向が正反対で、どこまでも離れていく景色です。意見や立場がすれ違い、ぶつかり合う姿を表します。
人との意見の食い違いや、納得できない出来事に心が波立っているようです。自分は間違っていないという思いが強いほど、相手との溝も深まります。このまま押し通すと、勝っても失うものが大きくなりそうです。
心がけ:白黒をつけることより、どこで手を引くかを考えましょう。感情的になったら、信頼できる第三者に相談してください。これから何かを始めるなら、最初に取り決めを文書にしておくと、後のもめごとを防げます。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
正しい心があるのに、ふさがれています。用心して途中でやめれば吉ですが、最後まで争えば凶です。公平な人に会うのが良く、大きな冒険は避けるべきです。
3テーマ別の読み方
天水訟が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
事とする所を永くせず。小しく言有れども、終には吉。
争いごとを長引かせません。少し言い合いはありますが、最後には吉となります。
占いでは:争いはまだ始まったばかりです。ここで深追いせず、早めに切り上げれば大事になりません。多少の言い分を言われても、言い返しすぎないことです。小さな口論で済ませれば、後はうまく収まります。
この爻が変わると之卦は 第10卦 天沢履
訟を克くせず。帰りて逋る。その邑人三百戸、眚无し。
争いに勝てず、引き返して身を隠します。そうすれば、自分の村の三百戸の人々にも災いは及びません。
占いでは:相手の方が強い立場にあり、争っても勝ち目は薄い時です。引き下がることは負けではありません。身を引くことで、自分だけでなく、家族や仲間を守ることにもなります。
この爻が変わると之卦は 第12卦 天地否
旧徳に食む。貞なれども厲うし。終には吉。或いは王事に従うも、成すこと无し。
昔から受け継いだもので暮らします。危うさはありますが、最後は吉です。上の人の仕事に従っても、自分の手柄にはなりません。
占いでは:新しく奪い取ろうとせず、今持っているもので満足することが身を守ります。人に従う場面では、手柄を求めず役目を果たすだけで十分です。欲を出さなければ、最後は落ち着くところに落ち着きます。
この爻が変わると之卦は 第44卦 天風姤
訟を克くせず。復りて命に即き、渝わる。貞に安んずれば吉。
争いに勝てず、引き返して道理に従い、考えを改めます。落ち着いて正しさを守れば吉です。
占いでは:争うのをやめ、考えを切り替える勇気が求められる時です。意地を張っていた自分に気づいたら、素直に方向を変えましょう。正しい道に戻って落ち着けば、むしろ以前より良い状態になります。
この爻が変わると之卦は 第59卦 風水渙
訟、元いに吉。
争いごとを正しく裁いてもらえて、大いに吉となります。
占いでは:公平な判断をしてくれる人が現れ、正しい側が報われる時です。あなたに筋が通っているなら、きちんと訴えて良い結果が得られます。自分が裁く立場なら、偏らずに判断することが吉を呼びます。
この爻が変わると之卦は 第64卦 火水未済
或いは之に鞶帯を錫う。終朝に三たび之を褫わる。
争いに勝って立派な帯を授かっても、一朝のうちに三度も取り上げられてしまいます。
占いでは:争いの行き過ぎを戒める爻です。勝って何かを手に入れても、恨みを買えば長くは保てません。勝ち取ったものにしがみつかず、関係を修復する方へ気持ちを向けると、失うものが少なくて済みます。
この爻が変わると之卦は 第47卦 沢水困
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 天水訟が出たら争いは避けるべき?
A. はい、できるだけ早めに収めるのが良いとされます。卦辞は、途中でやめれば吉、最後まで争えば凶としています。どうしても解決が必要なら、公平な第三者に入ってもらい、感情ではなく事実で話し合いましょう。
Q. 天水訟は恋愛ではどう読む?
A. すれ違いや言い争いが起きやすい時期です。どちらが正しいかにこだわるほど、二人の距離は天と水のように離れます。言いたいことは一晩おいてから伝え、相手の話を先に聞くことで関係を守れます。
Q. 天水訟の読み方は?
A. 「てんすいしょう」と読みます。易の64卦の第6番目の卦で、上の卦が乾(天)、下の卦が坎(水)です。短く「訟」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
