地火明夷(ちかめいい)の意味
日が沈む間は、灯を胸の内にしまう。易の第36卦「地火明夷」は、上に坤(地)、下に離(火)を重ねた卦です。キーワードは「光を隠す」「耐える時」「内に守る」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1地火明夷の意味
動き方:守りに徹する
地火明夷は、明るい太陽が地の下に入り、光が傷つけられ覆い隠された卦です。正しさや才能が周りに理解されにくく、思うように力を出せない時を表します。卦辞は「苦しみを知りつつ正しさを守れ」と告げます。大象は「人の上に立つときは、わざと暗さを用いて、それでいて明らかである」と説きます。賢さをひけらかさず、目立たないよう身を低くしながら、心の灯は消さない。古の賢人が乱れた世で知恵を隠して生き延びたように、今は表で戦うより、内側で力を養う時期です。夜はいつまでも続きません。
下が火、上が地。太陽が大地の下へ沈み、あたりが暗くなった景色です。光は消えたのではなく、地中に隠れて次の朝を待っています。明るさを外に出せず、内にしまい込んでいる姿です。
努力や正しさがうまく伝わらず、もどかしさを感じているかもしれません。周りの空気が重かったり、立場の強い人との関係に気をつかったりする場面が増えています。自分の光を出せば出すほど、かえって叩かれやすい状況です。
心がけ:今は能力や意見を前面に出すより、目立たないよう身を低くしてください。言うべきことは信頼できる人にだけ伝え、心の中の筋は曲げないこと。休みと学びに時間を回し、夜明けへの準備をしておきます。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
明るさが傷つけられる時です。苦しさを自覚しながらも、正しい心を内に守り続けることが、良い結果につながります。
3テーマ別の読み方
地火明夷が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
明夷る。于に飛びて其の翼を垂る。君子于に行きて、三日食らわず。往く攸有れば、主人言有り。
明るさが傷つく時、鳥は翼を垂れて低く飛ぶ。君子は三日も食べずに旅立つ。行った先では主人にとがめられる。
占いでは:暗い流れの始まりに気づき、早めに身を引こうとする段階です。去るときは多少の不便やとがめを受けますが、深みにはまる前に離れるのが賢明です。周りの小言は気にしすぎないでください。
この爻が変わると之卦は 第15卦 地山謙
明夷る。左の股を夷る。用て拯うに馬壮んなれば吉。
明るさが傷つき、左の股を痛める。それでも力強い馬で救い出せば吉となる。
占いでは:痛手を受けて歩みが鈍っている時です。それでも力強い助けを借りれば、立て直すことができます。一人で抱え込まず、頼れる人や手段に早めに救いを求めることが吉につながります。
この爻が変わると之卦は 第11卦 地天泰
明夷りて南に狩りし、其の大首を得。疾く貞しくすべからず。
暗い中で南へ狩りに出て、首領をとらえる。ただし急いで正そうとしてはいけない。
占いでは:暗がりの中で、問題の大もとをつかむ好機が訪れます。ただし、長年の歪みを一気に正そうとすると反動が大きくなります。根本の原因を押さえたら、変化は時間をかけて進めてください。
この爻が変わると之卦は 第24卦 地雷復
左腹に入る。明夷の心を獲て、于に門庭を出づ。
相手の懐深くに入り、明るさを損なう者の本心を知って、門を出て離れていく。
占いでは:相手の懐に入り込み、物事の本当の姿を見抜く時です。ここにいても光は守れないとわかったら、騒がず静かにその場を離れるのが正解です。見切りをつける判断を大切にしてください。
この爻が変わると之卦は 第55卦 雷火豊
箕子の明夷る。貞しきに利ろし。
賢人の箕子が暴君のもとで賢さを隠して耐えたように、正しさを内に守るのがよい。
占いでは:最も難しい立場にありながら、知恵を隠して耐え抜く時です。愚かなふりをしてでも心の正しさを保てば、やがて報われる流れが来ます。今は守りを固め、本心を明かす相手を選んでください。
この爻が変わると之卦は 第63卦 水火既済
明らかならずして晦し。初めは天に登り、後には地に入る。
明るさを失って暗い。はじめは天にまで昇ったが、のちには地の中へ沈んでいく。
占いでは:暗さが極まった終わりの段階です。高く昇った勢いも、正しさを失えば地の底に沈みます。ただ闇が深いほど夜明けは近いもの。過去の振る舞いを省み、出直す準備を始めてください。
この爻が変わると之卦は 第22卦 山火賁
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 地火明夷は凶の卦ですか?
A. 光が地に沈む卦なので、思うように力を出せない苦しい時を示します。ただ光は消えたわけではなく、隠れているだけです。才能をひけらかさず、心の正しさを守って耐えれば、夜明けとともに状況は変わります。
Q. 地火明夷が出たら何をすればいい?
A. 表に出て戦うより、身を低くして力を蓄えることに専念してください。大きな決断や対立は先送りし、学びや休養に時間を使うのが良策です。本音は信頼できる人にだけ打ち明けると身を守れます。
Q. 地火明夷の読み方は?
A. 「ちかめいい」と読みます。易の64卦の第36番目の卦で、上の卦が坤(地)、下の卦が離(火)です。短く「明夷」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
