天沢履(てんたくり)の意味|易占い 第10卦 恋愛・仕事と六爻の読み方
易占い 第10卦

天沢履(てんたくり)の意味

虎の尾を踏んでも、礼があれば噛まれない。易の第10卦「天沢履」は、上に乾(天)、下に兌(沢)を重ねた卦です。キーワードは「礼儀を守る」「虎の尾」「踏み外さない」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。

1天沢履の意味

動き方:慎重に進む

天沢履は、正しい作法を守って歩むことを表す卦です。履は、足で踏む、そして人が踏み行うべき道という意味を持ちます。卦辞の、虎の尾を踏んでも噛まれない、という言葉が印象的です。目上の人や強い相手など、危うい存在のすぐそばにいても、礼をわきまえ、柔らかく慎重にふるまえば、害を受けずに道が通るということです。占う人にとっては、緊張感のある立場に置かれていても、自分の分をわきまえた言動を心がけることで乗り越えられる時期です。背伸びや思い上がりだけは禁物です。

卦の形
下に沢、上に天です。高くそびえる空の下に、静かな湖が明るく広がっている景色です。天は天、沢は沢と、上と下の位置がはっきりしています。小さく柔らかな者が、強く大きな者のすぐ後ろを、そっとついて歩く姿です。
いまの状況
目上の人や力のある相手と関わる、少し緊張する場面にいるようです。一つ間違えると相手の機嫌を損ねかねない、虎のそばを歩くような状況です。ただ、丁寧にふるまえば十分に乗り越えられます。

心がけ:相手の立場と自分の立場をわきまえ、礼儀正しく接しましょう。言葉づかいや身なりなど、基本的な作法を整えることが身を守ります。自分の力を過信して、できないことを引き受けるのは控えてください。

易の答えを、自分の悩みに当てはめたいときは

易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。

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2卦辞と大象

卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。

卦辞(書き下し)虎の尾を履むも、人を咥わず。亨る。

虎の尾を踏んでしまっても、虎は人に噛みつきません。礼儀を守って慎重に歩めば、物事は通ります。

大象(書き下し)上天下沢は履なり。君子以て上下を辨ち、民の志を定む。

3テーマ別の読み方

天沢履が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。

恋愛相手が年上や立場の上の人だったり、手の届きにくい存在だったりする恋です。なれなれしくせず、礼儀ある態度で接すると好感を持たれます。背伸びした演出は逆効果です。
結婚・縁談格上の家や、考え方の違う相手との縁談になりやすい時です。相手の家のしきたりを尊重し、丁寧に手順を踏みましょう。礼を尽くせば、話はきちんと通ります。
仕事厳しい上司や大きな取引先と向き合う場面が増えます。報告と相談をこまめにし、決まった手順を守ることが評価につながります。自分の能力以上の仕事に手を出すのは控えて。
お金リスクのある話が近くにありそうです。危ないと感じる取引には深入りしないこと。身の丈に合った使い方を守れば、大きな損は避けられます。決まりや契約は細部まで確認を。
健康足元の不注意に気をつけたい時です。階段や段差、慣れない靴に注意しましょう。無理な運動より、姿勢を正して歩くことが体調管理の基本になります。不調は医療機関へ。
人間関係上下関係を意識する場面が多くなります。目上には敬意を、目下には思いやりを。立場の違いをわきまえた接し方が、関係を円滑にします。うっかりした失言に注意を。
願い事慎重に進めれば、かなう見込みがあります。ただし危ない近道や、無理な背伸びは失敗のもとです。礼を尽くして、正しい手順で一歩ずつ近づくことが成就への道です。
待ち人来ますが、少し気を遣う相手かもしれません。目上の人や、緊張感のある知らせを持った人の可能性があります。きちんと迎える準備をしておきましょう。
失せ物足元や、踏まれやすい場所を探してみてください。靴の中、玄関まわり、床の敷物の下などが怪しいです。水辺や湖のような窪んだ場所の近くにもありそうです。
試験・勉強基本に忠実に取り組むことが大切な時です。ひらめきに頼った解き方より、手順どおりの解き方を身につけて。難関を目指すなら、背伸びしすぎず実力を正しく見極めましょう。
引っ越し・旅行移動中の足元や、慣れない土地でのふるまいに注意が必要な時です。その土地の決まりやマナーを事前に調べておくと安心です。危険な場所には近づかないでください。

4六爻(変爻)の読み方

略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。

初九初爻

素履して往く。咎无し。

飾りけのない、ありのままの姿で進みます。過ちはありません。

占いでは:何かを始める段階です。見栄を張らず、自分らしい素朴なやり方で進めば問題はありません。背伸びをして飾ろうとすると、かえって足元をすくわれます。初心を大切にしてください。

この爻が変わると之卦は 第6卦 天水訟

九二二爻

道を履むこと坦坦たり。幽人貞にして吉。

踏んでいく道は平らで穏やかです。静かに暮らす人が正しさを守れば吉です。

占いでは:目立つことを望まず、静かに自分の道を歩むことで幸運が得られる時です。争いや競争から距離を置き、落ち着いて目の前のことに取り組みましょう。平らな道が、その先へと続いています。

この爻が変わると之卦は 第25卦 天雷无妄

六三三爻

眇にして能く視、跛にして能く履む。虎の尾を履み、人を咥う。凶。武人大君と為る。

よく見えないのに見えると思い、うまく歩けないのに歩けると思いこみます。虎の尾を踏んで噛まれ、凶です。力だけの者が上に立とうとします。

占いでは:自分の力を過信して、危ない橋を渡ろうとしている時です。できないことをできると思いこむと、思わぬ痛手を受けます。冷静に自分の実力を見直し、無理な挑戦は一度取りやめましょう。

この爻が変わると之卦は 第1卦 乾為天

九四四爻

虎の尾を履む。愬愬たり。終には吉。

虎の尾を踏んでしまいます。おそれ慎んでいれば、最後には吉となります。

占いでは:危険な相手のすぐそばにいて、緊張の続く時です。けれども、おそれる心があるからこそ慎重になれます。用心を怠らず、一つひとつ丁寧に対処すれば、最後には無事に切り抜けられます。

この爻が変わると之卦は 第61卦 風沢中孚

九五五爻

夬めて履む。貞なれども厲うし。

きっぱりと決めて踏み行います。正しくても、危うさをはらんでいます。

占いでは:決断力があり、思い切った判断ができる立場にいます。ただ、自分の判断に自信を持ちすぎると、周りの意見を聞かなくなりがちです。正しいと思っても、一度立ち止まって確かめる慎重さを残しましょう。

この爻が変わると之卦は 第38卦 火沢睽

上九上爻

履むを視て祥を考う。その旋れば元いに吉。

これまで歩んできた道を振り返り、良し悪しを考えます。きちんと一巡りしていれば、大いに吉です。

占いでは:一つの歩みが終わりに近づき、これまでを振り返る時です。自分の行いを見直し、良かった点も反省点も受けとめましょう。最初から最後まで筋を通せていれば、大きな幸運が訪れます。

この爻が変わると之卦は 第58卦 兌為沢

5関係する卦

易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。

6よくある質問

Q. 天沢履の「虎の尾を履む」とはどんな意味?

A. 強い者や危うい相手のすぐそばにいる、緊張した状況を表します。卦辞は、それでも礼儀を守って慎重にふるまえば噛まれない、と続きます。危うさを恐れるより、作法を大切にすることで道が開けるという教えです。

Q. 天沢履が出たら仕事はどう動けばいい?

A. 上司や取引先など、目上の相手との関わりに気を配る時です。報告や手順を丁寧に守り、自分の分を超えた約束はしないこと。礼をわきまえた態度が評価され、難しい場面も無事に乗り越えられます。

Q. 天沢履の読み方は?

A. 「てんたくり」と読みます。易の64卦の第10番目の卦で、上の卦が乾(天)、下の卦が兌(沢)です。短く「履」とも呼びます。

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易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について