風水渙(ふうすいかん)の意味
春風が氷を解かし、わだかまりがほどける。易の第59卦「風水渙」は、上に巽(風)、下に坎(水)を重ねた卦です。キーワードは「解ける」「散らばる」「心をまとめる」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1風水渙の意味
動き方:進んでよい
渙は、散らばること、解けることを表します。凍った水が春風で解けるように、こわばっていた問題や心のわだかまりがほぐれていく時期です。卦辞は「亨る」とし、大きな川を渡るような思い切った行動にも向くと告げます。ただ散らばるものは悩みだけではありません。人の心や集まりもばらばらになりやすいときです。大象が祖先を祭って廟を立てる姿を描くのは、散った心を一つにまとめる中心が必要だからです。共通の目的や大切にしたい思いを掲げることが鍵になります。
下に水、上に風。風が水面を吹き渡り、さざ波を広げ、張っていた氷を解かしていく景色です。固まっていたものがほどけて散っていく一方、風は散ったものを遠くまで運び、新しい場所へ届けます。
長く続いた緊張やわだかまりがゆるみ始めています。気持ちが軽くなる一方、まとまっていた人や計画が散りぢりになりつつあり、どこに力を集めればよいか迷っているかもしれません。ほどけた今こそ、立て直しの好機でもあります。
心がけ:古い不満やこだわりは、この機会に手放しましょう。そのうえで、みんなが立ち返れる目的や約束を一つ決めることです。新しい挑戦には、正しい筋道を守って踏み出せば力を得られます。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
物事は通ります。王が廟に至り、祖先を祭って人々の心をまとめます。大きな川を渡るような挑戦に向き、正しさを守るのがよいときです。
3テーマ別の読み方
風水渙が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
用て拯うに馬壮んなり。吉。
散らばり始めたところを救うのに、力強い馬の助けを得ます。吉です。
占いでは:ばらばらになりかけた初めの段階で、手を打てる暗示です。頼もしい助っ人の力を借りれば、大きく崩れる前に立て直せます。一人で抱えず、力のある人にすぐ助けを求めることが大切です。
この爻が変わると之卦は 第61卦 風沢中孚
渙のときその机に奔る。悔亡ぶ。
散らばるときに、身を寄せられる机(よりどころ)へ走ります。後悔は消えます。
占いでは:落ち着かない状況の中で、自分のよりどころへ急いで戻る暗示です。安心できる場所や信頼できる人のもとに身を寄せれば、迷いは消えます。基本に返ることが、今の最善の動き方です。
この爻が変わると之卦は 第20卦 風地観
その躬を渙らす。悔なし。
自分自身へのこだわりを散らして手放します。後悔はありません。
占いでは:自分の都合や意地を手放すことで、道が開ける暗示です。私心を捨てて人のために動くと、悔いのない結果になります。自分を守ることにこだわらず、大きな目的のために力を差し出しましょう。
この爻が変わると之卦は 第57卦 巽為風
その群を渙らす。元いに吉。渙りて丘あり。夷の思う所にあらず。
仲間うちの小さな集まりを解きます。大いに吉です。散らしたあとに丘のような大きな集まりができ、普通では考えつかないことです。
占いでは:派閥や内輪の集まりを解いて、より大きなまとまりを作る暗示です。身近な仲間を手放すのは勇気がいりますが、その先に思いもよらない大きな輪が生まれます。広い視野で人をつなげましょう。
この爻が変わると之卦は 第6卦 天水訟
渙のときその大号を汗にす。渙のとき王居る。咎なし。
汗が体から出て戻らないように、大号令を発して広めます。散らばるときに王が中心に構え、咎めはありません。
占いでは:ばらばらになりかけた人々に向けて、はっきりと方針を示すときです。出した言葉は汗のように取り消せないので、よく考えて発しましょう。中心に立つ人がぶれなければ、全体がまとまります。
この爻が変わると之卦は 第4卦 山水蒙
その血を渙らす。去りて逖く出づ。咎なし。
傷つけ合う争いを散らし、危ない場所から遠く離れます。咎めはありません。
占いでは:争いや危険な関係から、思い切って距離を取る暗示です。散らばりの最後に、傷が深くなる前に離れることができます。逃げることは負けではありません。遠ざかることで、自分も相手も守られます。
この爻が変わると之卦は 第29卦 坎為水
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 風水渙はどんな意味の卦ですか?
A. 固まっていたものが解け、散らばることを表す卦です。悩みやわだかまりがほどける良い面と、人の心がばらばらになりやすい面があります。共通の目的を掲げて心をまとめることが、この卦を生かす鍵です。
Q. 風水渙が出たら仲直りできる?
A. わだかまりが解けやすい流れなので、仲直りのきっかけは作りやすいときです。過去の言い分にこだわらず、これから大切にしたいことを伝えると心が通います。小さな誘いから始めてみましょう。
Q. 風水渙の読み方は?
A. 「ふうすいかん」と読みます。易の64卦の第59番目の卦で、上の卦が巽(風)、下の卦が坎(水)です。短く「渙」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
