山水蒙(さんすいもう)の意味
山すその泉のように、学んで澄む。易の第4卦「山水蒙」は、上に艮(山)、下に坎(水)を重ねた卦です。キーワードは「学びの始まり」「素直に問う」「師を得る」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1山水蒙の意味
動き方:慎重に進む
山水蒙は、まだ物事がよく見えていない幼い状態、そしてそこから学んで成長していく道を表す卦です。蒙は、草に覆われて暗いという意味を持ちます。卦辞には、学ぶ者が自分から教えを求めて来るべきこと、同じ問いを何度も繰り返すのは失礼であることが書かれています。この卦が出たあなたは、知らないことを素直に認め、信頼できる先生や先輩に教えを請う時期です。答えを急いで何度も聞き直すより、一度もらった助言をしっかり実行してみることが、霧を晴らす近道になります。
下に水、上に山です。山のふもとから湧き出したばかりの泉が、まだ行き先を知らずに霧の中に漂っている景色です。流れはやがて川になりますが、今は道がはっきりしません。幼さと、これから育つ可能性が重なった姿です。
どちらへ進めばいいのか、まだよくわからない状態にいます。情報が足りず、判断の材料もそろっていません。迷いがあるのは自然なことで、恥ずかしいことではありません。今は学ぶことで道が見えてくる時期です。
心がけ:わからないことは、詳しい人に自分から尋ねに行きましょう。一度もらった答えは疑って聞き直すより、まず実行してみることが大切です。泉の水が少しずつ川になるように、小さな理解を積み重ねていってください。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
通ります。教える側から押しかけるのではなく、学ぶ側が求めて来るものです。最初の問いには答えますが、何度も同じことを問うのは失礼で、答えません。正しさを守るのが良いのです。
3テーマ別の読み方
山水蒙が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
蒙を発く。用て人を刑し、用て桎梏を説くに利ろし。以て往けば吝。
幼さを開いて目覚めさせます。決まりで引き締めるのは良いことですが、縛りつけたまま進めば恥をかきます。
占いでは:学び始めの段階で、ある程度の決まりや厳しさが必要な時です。ただ、縛りすぎると伸びる芽をつぶしてしまいます。最初はきちんと基本を教え、身についたら少しずつ自由を与えてください。
この爻が変わると之卦は 第41卦 山沢損
蒙を包む、吉。婦を納る、吉。子、家を克くす。
幼い者を包みこむように受け入れて吉です。妻を迎えて吉、子どもが家をしっかり治めます。
占いでは:未熟な人やまだ慣れない人を、広い心で受け入れることで道が開ける時です。人を育てる役目を任されたら、引き受けて損はありません。結婚や家庭のことにも良い知らせがあります。
この爻が変わると之卦は 第23卦 山地剥
用て女を取るなかれ。金夫を見て躬を有たず。利ろしき攸无し。
このような女性を娶ってはいけません。お金のある男を見ると、自分を保てなくなります。良いことはありません。
占いでは:目の前の利益や見栄えの良さに、心を奪われやすい時です。条件の良さだけで人や話を選ぶと、後で後悔します。自分の軸を見失っていないか、一度立ち止まって確かめましょう。
この爻が変わると之卦は 第18卦 山風蠱
蒙に困しむ。吝。
幼さの中で行き詰まり、苦しんでいます。恥ずかしい思いをします。
占いでは:相談できる人がそばにおらず、一人で悩みこんでいる状態です。わからないまま抱えていても、霧は晴れません。勇気を出して、教えてくれる人のところへ自分から足を運んでください。
この爻が変わると之卦は 第64卦 火水未済
童蒙、吉。
子どものように素直に学ぶ心を持っていて、吉です。
占いでは:素直さがそのまま幸運につながる爻です。立場が上がっていても、知らないことは知らないと認めて人に学ぶ姿勢が、周りの信頼と協力を集めます。プライドを脇に置くほど、道は広がります。
この爻が変わると之卦は 第59卦 風水渙
蒙を撃つ。寇を為すに利ろしからず、寇を禦ぐに利ろし。
幼さを厳しく打ち正します。攻めこむのは良くありませんが、害を防ぐためなら良いのです。
占いでは:厳しく正す必要がある場面です。ただし、相手を責め立てて追い詰めるのは逆効果です。目的はあくまで害を防ぐこと。怒りをぶつけるのではなく、守るための線をきっぱり引きましょう。
この爻が変わると之卦は 第7卦 地水師
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 易で同じことを何度も占ってはいけないの?
A. 山水蒙の卦辞に、最初の問いには答えるが、何度も繰り返すのは失礼なので答えない、という一文があります。易では一度出た答えを大切にし、まず受けとめて実行してみることがすすめられます。
Q. 山水蒙は凶の卦ですか?
A. 凶の卦ではありません。物事がまだよく見えない段階を表しますが、卦辞は通るとしています。素直に学び、良い先生を得れば、山すその泉が川になるように力が育っていきます。
Q. 山水蒙の読み方は?
A. 「さんすいもう」と読みます。易の64卦の第4番目の卦で、上の卦が艮(山)、下の卦が坎(水)です。短く「蒙」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
