水雷屯(すいらいちゅん)の意味
雷雲の下、若芽が土を押し上げる。易の第3卦「水雷屯」は、上に坎(水)、下に震(雷)を重ねた卦です。キーワードは「生みの苦しみ」「芽吹き」「土台づくり」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1水雷屯の意味
動き方:待つ
水雷屯は、物事が生まれたばかりで、まだ形にならない苦しさを表す卦です。屯という字は、草の芽が地面を割って出ようとする姿を描いています。勢いはあるのに、雨雲に覆われて思うように進めない状態です。ただ、卦辞は大いに通ると言い切っています。今の混乱は、新しいものが育つための産みの苦しみなのです。占いで出たときは、無理に突き進まず、信頼できる協力者を見つけて足場を固めることが大切です。糸を一本ずつ整えて布を織るように、計画を練り直す時でもあります。
下に雷、上に水です。地の底で雷が動き出そうとしているのに、頭上には雨雲が重く垂れこめている景色です。芽が固い土を押し上げようと、もがいている姿にも見えます。始まりの力と、行く手をふさぐ壁が重なっています。
何かを始めたばかりで、思うように進まずもどかしい状況です。やることは多いのに、手順も見通しもまだはっきりしません。焦る気持ちはあっても、今は芽が根を張っている段階だと受けとめてください。
心がけ:一人で抱えず、頼れる仲間や専門家を味方につけましょう。もつれた糸をほどくように、やるべきことを書き出して順番を決めると気持ちが落ち着きます。遠くへ手を広げるのは、足場が固まってからで遅くありません。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
大いに通る力を秘めています。正しさを守るのが良く、今は自分から遠くへ出ていかない方が無難です。頼れる助け手を立てると良いでしょう。
3テーマ別の読み方
水雷屯が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
磐桓す。貞に居るに利ろし。侯を建つるに利ろし。
大きな岩のように、ぐずぐずして進めません。今の場所で正しさを守り、助け手を立てるのが良い時です。
占いでは:始まったばかりで、動きたくても動けない時です。無理に進まず、今いる場所で足元を固めてください。信頼できる協力者を見つけて役目を任せると、後の展開がぐっと楽になります。
この爻が変わると之卦は 第8卦 水地比
屯如たり邅如たり。馬に乗りて班如たり。寇するに匪ず、婚媾せんとす。女子貞にして字せず、十年にして乃ち字す。
行き悩み、馬に乗っても進めません。近づく者は敵ではなく求婚者です。娘は正しさを守って嫁がず、十年後にようやく嫁ぎます。
占いでは:近づいてくる人や話を、すぐに受け入れない方が良い時です。相手は悪い人ではなくても、今は時期が熟していません。本当に結ばれるべき縁は、時間がかかっても逃げてはいきません。
この爻が変わると之卦は 第60卦 水沢節
鹿に即くに虞无し。惟林中に入る。君子は幾して舎むるに如かず。往けば吝。
案内役もなしに鹿を追って、森の奥へ迷いこみます。賢い人は兆しを見てやめておきます。進めば恥をかきます。
占いでは:目先の獲物を追いかけて、深追いしそうな時です。詳しい人の助けがないまま進むと、森で迷うように道を見失います。引き返す勇気を持ちましょう。今やめれば、損は小さく済みます。
この爻が変わると之卦は 第63卦 水火既済
馬に乗りて班如たり。婚媾を求む。往けば吉にして、利ろしからざる无し。
馬に乗っても進みあぐねていますが、ふさわしい相手を求めて出かければ吉で、うまくいかないことはありません。
占いでは:一人では進めなかったことも、力を貸してくれる相手を求めれば開けてきます。こちらから声をかけ、協力を頼んでみてください。良い縁と組むことで、止まっていた物事が動き出します。
この爻が変わると之卦は 第17卦 沢雷随
その膏を屯す。小なれば貞にして吉、大なれば貞にして凶。
恵みを周りに行き渡らせることができずにいます。小さなことなら守って吉ですが、大きなことを押し通すと凶です。
占いでは:力や財はあっても、まだ周りに十分に配れない状態です。大きな計画を一気に進めようとせず、小さな範囲で確実に成果を出しましょう。身近な人から少しずつ恵みを分ければ、信頼が広がります。
この爻が変わると之卦は 第24卦 地雷復
馬に乗りて班如たり。泣血漣如たり。
馬に乗っても進めず、血の涙がとめどなく流れます。
占いでは:苦しい状態が行き着くところまで来ています。ただ、六段目は終わりの位置です。ここで一度立ち止まり、悲しみを受けとめたうえで、やり方を根本から変えてください。闇の先には新しい始まりが待っています。
この爻が変わると之卦は 第42卦 風雷益
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 水雷屯は悪い卦ですか?
A. 困難を表しますが、悪いだけの卦ではありません。卦辞は大いに通るとも言っており、芽が土を押し上げるような産みの苦しみを示しています。無理をせず協力者を得て土台を固めれば、後で大きく育ちます。
Q. 水雷屯が出たら何をすればいい?
A. 新しい行動を広げるより、今あることの整理と準備に力を注ぎましょう。やることを書き出して順番を決め、手伝ってくれる人を探すのが近道です。混乱の時期を抜ければ、物事は勢いよく動き出します。
Q. 水雷屯の読み方は?
A. 「すいらいちゅん」と読みます。易の64卦の第3番目の卦で、上の卦が坎(水)、下の卦が震(雷)です。短く「屯」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
