天火同人(てんかどうじん)の意味
広い野原で、心を合わせる人と出会う。易の第13卦「天火同人」は、上に乾(天)、下に離(火)を重ねた卦です。キーワードは「志を同じくする」「開かれた場」「協力」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1天火同人の意味
動き方:進んでよい
天火同人は、同じ志を持つ人と手を取り合う卦です。卦辞は「野において人と同じくせよ」と語ります。身内だけで固まるのではなく、垣根のない広い場で仲間を集めると、大きな川を渡るような難しい計画にも挑めます。大象は、仲間をつくる時こそ、似ているものと違うものを見分けよと教えます。何でも一緒くたにするのではなく、互いの違いを認めたうえで目的を共有するのがこの卦の協力です。私情やひいきを持ちこむと、せっかくの輪が狭くなってしまいます。
上に天、下に火。炎は空へ向かって立ちのぼり、天と同じ方向をめざします。野原でたき火を囲み、遠くからも見える明かりに人が集まってくる、そんな温かく開けた景色です。
共通の目的を持てる人が周りに現れやすい時です。ひとりで抱えてきた課題も、誰かと分け合えば前へ進みそうな気配があります。一方で、身内びいきや派閥の空気に引っ張られやすい面もあります。
心がけ:門戸を広く開け、肩書きや好き嫌いで人を選ばないこと。仲間を集めたら、何を一緒にめざすのかをはっきり言葉にしましょう。違う意見を排除せず、違いを見分けたうえで手を組むと、輪は強くなります。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
人と心を合わせるなら、広い野原のような開かれた場でするとよい。そうすれば通じ、大きな川を渡るような難事にも向かえる。正しい人が志を守るのによい。
3テーマ別の読み方
天火同人が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
門に同人す。咎无し。
門を出たところで人と交わる。家の内にこもらず外へ出て交わるので、とがめはない。
占いでは:仲間づくりの第一歩です。家の門を一歩出るくらいの気軽さで、身近な外の世界へ声をかけてみましょう。ひいきのない素直な交わりなので、責められることはありません。
この爻が変わると之卦は 第33卦 天山遯
宗に同人す。吝。
一族の中だけで人と交わる。身内だけで固まるので、恥ずべき狭さがある。
占いでは:気の合う身内や仲間内だけで固まりやすい時です。居心地はよくても、視野が狭まり、外の人から反感を買うこともあります。いつもの輪の外へも目を向けましょう。
この爻が変わると之卦は 第1卦 乾為天
戎を莽に伏せ、其の高陵に升る。三歳まで興らず。
兵を草むらに伏せ、高い丘に登って様子をうかがう。だが三年たっても事を起こせない。
占いでは:相手を疑って身構え、裏で策を練っている状態です。警戒しすぎると、動けないまま時間だけが過ぎます。張りつめた気持ちをいったん下ろし、正面から話すほうが早道です。
この爻が変わると之卦は 第25卦 天雷无妄
其の墉に乗るも、攻むる克わず。吉。
相手の垣根の上まで乗りこんだが、攻め落とせない。思いとどまって引き返すので吉。
占いでは:勢いで相手の領分へ踏みこみかけたところで、引き返す知恵が働く場面です。攻めきれないと悟った時に退けば、争いは大きくならず、かえって関係を立て直せます。
この爻が変わると之卦は 第37卦 風火家人
同人、先には号咷し後には笑う。大師克ちて相遇う。
心を合わせたい相手とは、初めは隔てられて泣き叫ぶが、後には笑う。大軍で障害に勝って巡り会う。
占いでは:会いたい人や組みたい相手との間に、壁が立ちはだかる時です。初めは悔しさで声をあげたくなっても、力を尽くして障害を越えれば、最後は笑って手を取り合えます。
この爻が変わると之卦は 第30卦 離為火
郊に同人す。悔无し。
町はずれで人と交わる。中心からは遠いが、後悔はない。
占いでは:輪の中心からは少し離れた場所に立つ段階です。大勢と深く交わる熱気はなくても、無理のない距離で関わるので悔いは残りません。静かな協力の形を選んでよい時です。
この爻が変わると之卦は 第49卦 沢火革
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 天火同人はどんな意味の卦ですか?
A. 志を同じくする人と手を取り合う「協力」の卦です。身内だけで固まらず、広く開かれた場で仲間を集めると、大きな目標にも挑めると教えています。全体として前向きな卦です。
Q. 仕事で天火同人が出たら?
A. チームワークや社外との協業が実を結びやすい時です。目的をはっきり共有し、役割を分けて進めましょう。特定の人をひいきしたり、派閥で動いたりすると、せっかくの協力が崩れやすくなります。
Q. 天火同人の読み方は?
A. 「てんかどうじん」と読みます。易の64卦の第13番目の卦で、上の卦が乾(天)、下の卦が離(火)です。短く「同人」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
