沢山咸(たくざんかん)の意味
若い心が触れ合い、自然に響き合う。易の第31卦「沢山咸」は、上に兌(沢)、下に艮(山)を重ねた卦です。キーワードは「感じ合う」「心が動く」「受け入れる」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1沢山咸の意味
動き方:進んでよい
咸は「感じる」という意味で、感の字から心を取った形とも言われます。易の後半、人と人との関係を描く部分の最初に置かれ、男女の感応から始まります。卦辞は、通じ合いがあり、結婚に吉と告げます。大象は、心を空にして人を受け入れよと説きます。思い込みや先入観を抱えたままでは、相手の気持ちは入ってきません。爻辞は足の指からふくらはぎ、もも、背中、口元へと、体のどこで感じるかを順に描き、浅い反応や軽い言葉に振り回されない、深い感応を求めています。
山の頂に沢があり、水が山肌をしっとりと潤している姿です。下は若い男性を表す山、上は若い女性を表す沢。若い二人が互いに惹かれ合い、言葉より先に心が通い合う景色が浮かびます。
誰かの言葉や存在に、心が自然と動かされている時期です。直感が冴え、人とのご縁が生まれやすい一方で、相手の気持ちを先回りして読みすぎ、落ち着かなくなっていることもありそうです。胸の高鳴りと戸惑いが同居しています。
心がけ:自分の考えをいったん脇に置き、相手の話を空っぽの器で受け止めてみてください。直感は大切にしつつ、すぐに動かずに気持ちが深まるのを待つこと。素直な感受性が良い縁を呼びます。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
物事はよく通じます。正しい心を保つのがよく、妻を迎えるのは吉です。
3テーマ別の読み方
沢山咸が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
其の拇に咸ず。
足の親指で感じます。心の動きはまだ兆しにとどまっています。
占いでは:気持ちが動き始めたばかりの段階です。何かに惹かれていても、まだ足の指先が反応した程度にすぎません。すぐに行動に移さず、その思いが本物か様子を見てください。小さなときめきを大事に温めて。
この爻が変わると之卦は 第49卦 沢火革
其の腓に咸ず。凶。居れば吉。
ふくらはぎで感じ、思わず動き出そうとします。凶ですが、じっとしていれば吉です。
占いでは:気持ちに押されて、つい走り出したくなる時です。ふくらはぎのように勝手に動くと、相手に引かれたり失敗したりします。今はその場にとどまり、相手から近づいてくるのを待つほうがうまくいきます。
この爻が変わると之卦は 第28卦 沢風大過
其の股に咸ず。執ること其れ随う。往けば吝。
ももで感じ、ただ人の後について行こうとします。このまま進めば悔いが残ります。
占いでは:周りの意見や流行に、自分の意思なくついていきやすい時です。誰かの後を追うだけでは、満足のいく結果は得られません。本当に自分がそうしたいのか、一度立ち止まって確かめてください。
この爻が変わると之卦は 第45卦 沢地萃
貞にして吉。悔亡ぶ。憧憧として往来すれば、朋爾の思いに従う。
正しさを守れば吉で、悔いは消えます。心が落ち着かず行ったり来たりしていると、考えの合う仲間しかついてきません。
占いでは:心がそわそわして、あれこれ思い悩んでいる状態です。打算や不安で揺れていると、狭い範囲の人しか動かせません。私心をなくして素直な気持ちに戻れば、悔いは消え、より多くの人の心に届きます。
この爻が変わると之卦は 第39卦 水山蹇
其の脢に咸ず。悔无し。
背中の肉で感じます。周りに揺さぶられないので、悔いはありません。
占いでは:細かな感情の揺れに振り回されず、どっしりと構えていられる時です。冷たく見えないよう気をつけつつも、背中で語るような落ち着きが信頼を集めます。後悔のない判断ができます。
この爻が変わると之卦は 第62卦 雷山小過
其の輔頬舌に咸ず。
あご・頬・舌、つまり口先だけで人を動かそうとします。
占いでは:言葉だけで人の心を動かそうとする、行き過ぎの段階です。口のうまさは一時的な共感しか生みません。約束は小さくとも実行で示し、心のこもらないお世辞は控えてください。行動が伴えば信頼は戻ります。
この爻が変わると之卦は 第33卦 天山遯
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 沢山咸は恋愛に良い卦ですか?
A. 易の中でも特に恋愛や結婚に縁の深い吉の卦です。若い男女が自然に惹かれ合う姿を表し、卦辞にも「妻を迎えて吉」とあります。駆け引きより素直な気持ちを大切にし、相手の思いを受け入れる姿勢でいると、心が通じ合います。
Q. 沢山咸の「咸」はどういう意味ですか?
A. 「咸」は「感じる」と同じ意味で、心と心が触れ合って響き合うことを表します。理屈ではなく直感で通じ合う関係が描かれています。大象は、心を空にして人を受け入れよと教えており、先入観を捨てることが感応の鍵になります。
Q. 沢山咸の読み方は?
A. 「たくざんかん」と読みます。易の64卦の第31番目の卦で、上の卦が兌(沢)、下の卦が艮(山)です。短く「咸」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
