雷山小過(らいざんしょうか)の意味
飛ぶ鳥は高く昇らず、低く舞う。易の第62卦「雷山小過」は、上に震(雷)、下に艮(山)を重ねた卦です。キーワードは「控えめ」「小さなこと」「低い姿勢」。卦辞と大象の書き下し、恋愛・仕事など11のテーマ、6本の爻の読み方をまとめました。
1雷山小過の意味
動き方:慎重に進む
小過は、小さく行き過ぎることを表します。卦の形は外側が陰で内側の陽が少なく、大きな力のない状態です。卦辞は「小事に可なり、大事に可ならず」。大きな勝負は避け、身近なことを丁寧に積み上げる時期です。飛ぶ鳥は高く昇るほど危うく、地面近くにいれば安全です。大象は、礼儀は丁寧すぎるくらい、倹約はつましすぎるくらいがよいと説きます。行き過ぎるなら、控えめな方向へ。背伸びをせず、低い姿勢でいることが大きな幸運を呼びます。
下に山、上に雷。山の上で鳴る雷は、平地で聞くより小さく遠く響きます。鳥が空高く飛び去っても鳴き声だけが地上に残るように、大きくはないが少しだけ度を越す、控えめな行き過ぎを表します。
大きく打って出たい気持ちがあっても、まだ力が十分にそろっていない状況です。周りとの小さな食い違いや、少しのずれが気になっているかもしれません。上を目指すほど空回りしやすいときです。
心がけ:大きな計画は一度脇に置き、目の前の小さな仕事を丁寧に仕上げましょう。言葉や態度は、少し丁寧すぎるくらいでちょうどよいときです。高望みより、手の届く足元に目を向けることです。
易の言葉は短く、読み方に幅があります。出た卦を今の状況にどう当てはめるか迷うときは、占い師に直接たずねてみるのもひとつの方法です。
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広告を含みます2卦辞と大象
卦辞は、この卦全体について『易経』が述べた言葉です。大象は、上下の卦の姿から「人はどうふるまうとよいか」を説いた言葉です。
物事は通り、正しさを守るのがよいときです。小さなことはよく、大きなことはいけません。飛ぶ鳥が声を残すように、上を目指さず下にとどまれば大吉です。
3テーマ別の読み方
雷山小過が出たときの、問いのテーマごとの読み方です。
4六爻(変爻)の読み方
略筮法などで「変わる爻」が出たときは、その爻の言葉をいちばん具体的な助言として読みます。爻は下から初爻・二爻…上爻と数え、陽の爻は「九」、陰の爻は「六」で呼びます。
飛鳥以て凶なり。
飛ぶ鳥が身の程を越えて高く飛び上がろうとし、そのために凶となります。
占いでは:まだ力の足りない始めのうちから、高く飛ぼうとしている暗示です。勢いだけで上を目指すと、思わぬつまずきを招きます。今は巣立ちの準備期間と考え、地面の近くで羽を鍛えましょう。
この爻が変わると之卦は 第55卦 雷火豊
その祖を過ぎて、その妣に遇う。その君に及ばずして、その臣に遇う。咎なし。
祖父を通り過ぎて祖母に会い、君主のもとまで行かずに臣下に会います。分をわきまえるので咎めはありません。
占いでは:いきなり一番上の人に会おうとせず、身近な立場の人を通すとうまくいく暗示です。順序や立場をわきまえた控えめな行動が、結果的に目的へつながります。窓口となる人を大切にしましょう。
この爻が変わると之卦は 第32卦 雷風恒
過ぎずしてこれを防ぐ。従えば或いはこれを戕う。凶。
行き過ぎることなく用心して防ぐべきところを、油断して従えば害を受けることがあります。凶です。
占いでは:身の回りに思わぬ落とし穴がある暗示です。自分は大丈夫だと油断すると、足をすくわれます。用心しすぎるくらいでちょうどよいときです。戸締まりや契約の確認など、守りを固めておきましょう。
この爻が変わると之卦は 第16卦 雷地豫
咎なし。過ぎずしてこれに遇う。往けば厲し、必ず戒めよ。永貞を用うるなかれ。
咎めはありません。行き過ぎずにほどよく対処できます。進めば危ういので戒めること。いつまでも同じ態度に固執してはいけません。
占いでは:自分から出すぎなければ、問題なく物事に対応できる暗示です。ただ、ここから先へ進むのは危険が伴います。今の位置で控えめに構え、状況に応じてやり方を変える柔らかさを持ちましょう。
この爻が変わると之卦は 第15卦 地山謙
密雲あれども雨ふらず、我が西郊よりす。公弋して彼の穴に在るを取る。
厚い雲が西の郊外から湧いても、まだ雨は降りません。君主は、矢で穴にいる獲物を捕らえます。
占いでは:準備は整っているのに、恵みの雨がまだ降らないもどかしい時期です。一人では大きな成果に届きません。隠れた場所にいる有能な人を見つけ出し、力を借りましょう。協力者を得てから雨は降り始めます。
この爻が変わると之卦は 第31卦 沢山咸
遇わずしてこれを過ぐ。飛鳥これに離る。凶。これを災眚と謂う。
ほどよい所にとどまらずに行き過ぎ、飛ぶ鳥が網にかかるように災いにあいます。凶で、これを災いといいます。
占いでは:止まるべき所を通り過ぎて、高く飛びすぎてしまった暗示です。行き過ぎた行動が、自ら災いを招きます。今すぐ高度を下げましょう。計画を縮小し、引き返す勇気を持てば、被害は小さく抑えられます。
この爻が変わると之卦は 第56卦 火山旅
5関係する卦
易では、ひとつの卦を別の角度から見るために、形を変えた卦を合わせて読むことがあります。
6よくある質問
Q. 雷山小過は凶の卦ですか?
A. 凶の卦ではありません。小さなことなら通り、低い姿勢を保てば大吉とまで言われます。ただし大きな勝負には向かない時期です。背伸びをせず、身近なことを丁寧に積み上げることが幸運につながります。
Q. 仕事で雷山小過が出たら?
A. 大きな企画や昇進を狙うより、日々の業務を正確にこなすことが大切なときです。目上の人には丁寧すぎるくらいの礼儀で接しましょう。小さな成果の積み重ねが、次の大きな機会を呼びます。
Q. 雷山小過の読み方は?
A. 「らいざんしょうか」と読みます。易の64卦の第62番目の卦で、上の卦が震(雷)、下の卦が艮(山)です。短く「小過」とも呼びます。
易占いは、気持ちを整理し、動き方を考えるための読み物として楽しむもので、未来を決めるものではありません。卦辞・爻辞・大象は古典『周易』(易経)の本文を書き下したもので、現代語訳と占いの読みはこのサイトで書いたものです。最終更新日:2026年10月22日/この記事の作成方針について
