ストローク — 認め合いの交換|心コンパス

自我状態

ストローク — 認め合いの交換

人は、認められることを必要とします。与え方と受け取り方を見直す。

2026.09.28 / 読了目安 約3分

人は、自分の存在を認められることを必要とします。交流分析では、この認め合いのやりとりをストロークと呼びます。

ストロークとは

ストロークは、他者の存在を認める言動のことです。心の栄養と説明されることが多く、人が生きていくうえで欠かせないものとして扱われます。

挨拶、名前を呼ぶこと、うなずくこと。短いやりとりもストロークです。交換される量と質が、関係の状態を作ります。

種類

種類例起きること
肯定的・無条件「あなたがいてくれると助かる」存在そのものが認められる
肯定的・条件付き「資料が早くて助かった」行動や成果が認められる
否定的・条件付き「遅いよ」行動への指摘。改善の余地がある
否定的・無条件「君はだめだ」存在への否定。受け取りにくい

否定的なストロークでも、無視されるよりはましだと感じられることがあります。認められない状態が続くと、人は否定的な注目でも集めようとすることがあるとされます。

与え方の癖

条件付きばかり
成果が出たときだけ認める。存在への肯定が抜けます。
遠慮して出さない
思っていても言わない。相手には伝わりません。
否定的な形で出す
心配や指摘として出す。内容が同じでも受け取り方が変わります。
自分に向けない
相手には出せるのに、自分には出しません。

見直す手順

  1. この1週間で、自分が受け取った認められ方を3つ書き出す。
  2. それぞれが、条件付きか無条件かに分ける。
  3. 自分が与えた認めを3つ書き、同じように分ける。
  4. 無条件の認めが少ない場合、次に会う人へ1つ用意する。存在への一言で構いません。
  5. 1か月後に同じ作業をやり、偏りが変わったかを見る。

使うときの注意

ストロークの分類は、相手を動かすための技術ではありません。相手に認めさせるために使うと、やりとりが操作になります。

また、認める言葉が苦手な人もいます。無理に量を増やそうとせず、自分が出せる形を見つけてください。

つらさが続く場合や、対人関係の困難が生活に影響している場合は、この記事の枠組みではなく、相談機関や専門家が適切です。

この記事の立場 ストロークの分類と5手順は、交流分析の解説で使われる整理を当サイトがまとめたものです。実証研究の蓄積は限られています。

よくある質問

褒めるのが苦手です。

褒め言葉でなくて構いません。「いてくれて助かる」のように、存在を認める一言でもストロークになります。

否定的な指摘は伝えないほうがよいですか。

伝える必要はあります。ただし、行動への指摘(条件付き)として伝えると、受け取られ方が変わります。

受け取ってもらえません。

出し方と相手の好みが合っていない可能性があります。量や表現を変えて試してください。

自分で自分を認めるのが難しいです。

よくある状態です。まずは受け取った認めを記録するところから始めてください。

受け取り方の癖

与え方と同じくらい、受け取り方にも癖があります。せっかくの認めが届かない場合、次のどれかが起きています。

打ち消す
認められても、偶然だ、大したことはないと返します。
疑う
本心ではないと考える。評価が下がる前触れだと読む。
数えられない
認めを認めとして記憶しない。

受け取る練習としては、認められたときに返す言葉を1つ決めておく方法があります。打ち消さずに、ありがとうとだけ返す形です。

受け取れない背景に、過去の経験が関わっていることもあります。つらさが続く場合は、この記事の枠組みではなく専門の相談機関が適切です。

職場での出し方

職場では条件付きの認めが多くなり、存在への認めが抜けやすくなります。

  • 挨拶を先にする 短くても、相手の存在を認める行為になります。
  • 名前を呼ぶ 役割名ではなく名前で呼ぶと、伝わり方が変わります。
  • 依頼するとき 用件の前に、相手の状況を1つ確認します。
  • 終わったあと 結果ではなく、関わった事実に触れます。

量を増やす必要はありません。毎日1つ、決まった形を作るだけで足ります。

苦手な場合は、感謝の言葉を1つ用意しておく方法があります。

職場の上司や同僚に対する過度な依存は、この記事の対象外です。

認めを出すときは、相手が受け取りやすい形を選びます。

言葉で
短い一文で伝えます。
行動で
手を貸す、時間を取る形でも伝わります。
記録で
書面やチャットに残すと、後からも届きます。

形が合わないと、出した認めが届かないことがあります。

自分への認め

認め合いの話では、相手への出し方が中心になりますが、同じ手順は自分にも使えます。

条件付きで認める
やり遂げたことに対して、1行だけ書き残します。
無条件で認める
結果と切り離して、その日の自分の状態に触れます。
否定的な形を避ける
反省は、行動への指摘として短く書きます。

自分への認めは、励ましの言葉である必要はありません。事実を1行残すだけで足ります。

相手から受け取る量が少ない時期は、自分からの分を増やすより、受け取れる形を増やすほうが続きます。

まとめ

認め合いは、特別な褒め言葉ではなく、日常の短いやりとりで作られます。まず受け取った認めを数え、次に出すほうを1つ用意してください。

この記事の立場 理論の成り立ちと用語は出典を明記しています。診断結果の正確さを保証するものではなく、医療・採用・他者の評価には使いません。

出典

注記 分類の表、書き出しの5手順、当サイトの提案部分は当サイトの記述です。

同じ分類の記事

ほかの分類から

← 自我状態へ