自我状態
繰り返されるやりとりに名前をつける
同じ結末になる会話には、型があります。型に気づくと、途中で降りられます。
同じ相手と、同じ結末を繰り返す会話があります。交流分析では、こうした繰り返しの型をゲームと呼びます。
ゲームとは
ゲームは、一見ふつうの会話に見えるのに、決まった展開と、決まった結末に向かうやりとりの型です。結末で人は、自分が予想していた感情を確かめます。
ゲームという言葉は、悪意のある操作という意味ではありません。意識せずに繰り返してしまう型を指します。
構造
| 段階 | 起きること | 例 |
|---|---|---|
| 誘い | ふつうの会話として始まる | 「ちょっと相談があるのだけど」 |
| 応じ | 相手が役割を引き受ける | 「いいよ、どうしたの」 |
| 切り替え | 急に話題や立場が変わる | 「やっぱりあなたには分からないよ」 |
| 結末 | 決まった感情で終わる | 互いに不快感が残る |
繰り返しやすい型
- 相談と否定
- 相談の形で始まり、出した助言を次々に否定して終わります。
- 当てつけ
- 直接言わず、遠回しに伝えて相手の反応を確かめます。
- 助けてと言えない
- 待っているのに手を挙げず、気づかれないことを確認します。
- 謝罪の応酬
- 互いに謝り合ううちに、どちらが悪いかの照合になります。
型の名前は、当サイトが日常の会話を整理したものです。学術的な用語として提示しているものではありません。
途中で降りる手順
- 最近の会話で、同じ結末に着地したものを1つ選ぶ。
- 結末で自分が感じた感情を1語で書く。
- 切り替えが起きた合図(言葉、声の調子、話題の変化)を特定する。
- その合図が出たとき、引き受けている役割を1つ手放してみる。助言をやめる、当てつけを拾わないなど。
- 同じ場面で感情ではなく用件に戻し、結果が変わったかを見る。
使うときの注意
ゲームという言葉を、相手を責めるために使わないでください。見つける対象は、自分が乗ってしまう型です。相手の型を指摘しても、関係は変わりません。
支配、暴力、脅しが関わる関係は、この記事の対象外です。個人の工夫で扱う領域ではありません。専門の相談機関に連絡してください。
この記事の立場 ゲームの構造と4つの型の整理は、交流分析の考え方を当サイトが日常の会話に当てはめたものです。実証研究の蓄積は限られています。
よくある質問
自分がゲームを仕掛けているのでしょうか。
仕掛けるという意識は通常ありません。無意識の型として扱い、結末の感情から振り返ってください。
やめようとすると気まずくなります。
型が変わると、関係の進み方も一度変わります。急に全部やめず、1つの場面から試してください。
相手を変えられますか。
変えられません。自分が役割を引き受けないことで、展開が変わることがあります。
職場でも起きますか。
起きます。ただし職場では、役割や手順の不明確さが原因になっていることが多いため、そちらを先に確認してください。
ゲームに乗る合図
乗ってしまう前に、体と場の変化として合図が出ます。次のどれかに気づいたら、いったん間を置いてください。
- 体の反応 胸が重くなる、息が浅くなる、声が大きくなる。
- 言葉 「どうせ」「また」「いつも」が出てくる。
- 場の変化 話題が用件から人物の評価に移る。
- 役割 助言する側、待つ側、謝る側に、自分が固定される。
合図に気づいたときの対応は、大きくしなくて構いません。1回聞き返す、用件に戻す、その場を終わらせる。このどれかで十分です。
記録をつけると、自分の型が偏っていることに気づきます。同じ型が繰り返し出る場合、その背景に別の事情があることもあります。
職場で起きやすい型
職場では、役割の曖昧さから同じ型が生まれやすくなります。
- 報告しない
- 聞かれるまで待つ形です。手順が不明確なときに起きます。
- 引き受けたまま断らない
- 量が見えないまま増えていく形です。
- 確認の連鎖
- 全員が確認を求め、誰も決めない形です。
- 謝り続ける
- 原因より、責任の所在を確認する形になります。
いずれも、人の性格より、手順と役割の不明確さが原因になっていることが多くあります。
まず手順を1つ決めることが、ゲームを減らす近道になります。
記録を取ると、特定の相手より、特定の状況で起きていることが分かります。
ゲームを減らすには、結末ではなく入口を変えます。
- 聞き返す 用件を1回確認します。
- 用件に戻す 人物の評価から話を戻します。
- 終わらせる その場を区切ります。
どの対応も、相手を変えるためのものではありません。
対応が続かない場合は、減らす対象を1つに絞ってください。
乗ってしまったあとの扱い
型に気づく前に乗ってしまった場合でも、扱い方はあります。振り返りの単位を決めておくと、次回の選択肢が増えます。
- 結末の感情を1語で書く 不快感の種類が、型の種類を教えてくれます。
- 切り替えの合図を探す どこで話題や立場が変わったかを確認します。
- 引き受けた役割を1つ選ぶ 複数ある場合は、いちばん手放しやすいものを選びます。
- 次回の代わりの行動を1つ決める 大きくしないことが定着の条件です。
振り返りは、その日のうちでなくて構いません。数日後に書くと、感情が落ち着いて役割が見やすくなります。
同じ型が繰り返し記録される場合、その背景に別の事情が隠れていることがあります。
まとめ
繰り返しに気づくには、結末の感情から逆算するのが確実です。まず1つの型を見つけ、1つの場面で役割を手放すところから始めてください。
この記事の立場 理論の成り立ちと用語は出典を明記しています。診断結果の正確さを保証するものではなく、医療・採用・他者の評価には使いません。
出典
- Wikipedia「交流分析」(ゲームの概念)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E6%B5%81%E5%88%86%E6%9E%90(2026-09-28 取得)
注記 型の例と降り方の5手順は当サイトの記述です。
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