愛着スタイル
大人の愛着スタイル — 2つの軸で見る
不安と回避。4タイプは、この2つの組み合わせに名前をつけたものです。
愛着スタイルは、人との距離の取り方の癖を説明する枠組みです。4つの類型で語られることが多いのですが、実際には2つの軸の組み合わせとして理解するほうが扱いやすくなります。
2つの軸
軸は、不安と回避です。どちらも「高い・低い」の連続で、0か1かではありません。
| 軸 | 高い側 | 低い側 |
|---|---|---|
| 不安 | 見捨てられることを恐れ、相手の反応を確かめたくなる | 相手を信頼し、そばにいなくても大丈夫でいられる |
| 回避 | 近づきすぎると息苦しくなり、距離を取ろうとする | 親密さを保ちながら、自分を保てる |
4つの組み合わせ
2つの軸の高低を組み合わせると、4つの類型になります。類型は、軸の位置につけた名前だと考えると分かりやすくなります。
| 類型 | 不安 | 回避 | 現れやすい形 |
|---|---|---|---|
| 安定型 | 低い | 低い | 親密さと自立のバランスが取りやすい |
| 不安型 | 高い | 低い | 相手の気持ちを確かめたくなる。連絡が減ると不安が強まる |
| 回避型 | 低い | 高い | 距離を保ちたい。干渉されると引いてしまう |
| 恐れ・回避型 | 高い | 高い | 近づきたいのに怖い。自分でも扱いにくいと感じやすい |
理論の成り立ち
愛着の考え方は、乳幼児と養育者の関係の観察から始まりました。その後、成人の親密な関係にも同じ枠組みが当てはめられ、自己についてのモデルと他者についてのモデルの2つから4類型に整理する考え方が示されました(バーソロミューとホロウィッツ、1991年)。
つまり類型の違いは、親密さを求める力と、距離を取る力の強さの違いから生まれます。性格全体を分類するものではありません。
自分の傾向を読む手順
- 親密な関係で、不安が強く出た場面を1つ思い出す。
- 同じ関係で、距離を取りたくなった場面を1つ思い出す。
- 2つの場面で、自分が実際にしたことを書く。相手の評価は書かない。
- 不安と回避のどちらが強いかを選ぶ。両方強い場合は、そのまま記録する。
- 半年後に同じ作業をやり、場面が変わったかを見る。
使うときの注意
注意点が2つあります。1つは、愛着スタイルは診断名ではないことです。日常の傾向を整理する言葉として使ってください。医療的な判断を置き換えるものではありません。
もう1つは、関係や時期によって現れ方が変わることです。特定の相手にだけ不安が強くなる、ということはよくあります。当サイトは、類型を相手の評価に使うことをすすめません。
この記事の立場 2軸と4類型の整理は当サイトの記述です。理論の成り立ちについては、引用した資料の記載にもとづきます。
よくある質問
安定型が最もよい型ですか。
優劣はありません。安定型は扱いやすい類型ですが、安定していることが望ましい性格という意味ではありません。
相手の愛着スタイルを知りたいです。
当サイトの記事から相手を判定することはできません。また、判定して関係を決めることもすすめません。
不安と回避の両方が高いと言われました。
恐れ・回避型として整理されます。近づきたい気持ちと怖さが同時に動くため、自分でも扱いにくく感じやすい類型です。
類型がどれにも当てはまりません。
中間の値にいる場合はよくあります。類型に収めるより、2つの軸の位置として記録してください。
関係の中で出る場面の例
軸の強さは、抽象的に考えるより、具体的な場面で見たほうが分かります。次の場面で、自分がどう動くかを思い出してください。
| 場面 | 不安が強い場合 | 回避が強い場合 |
|---|---|---|
| 返事が遅い | 理由を確かめたくなる | 気にしないふりをして距離を置く |
| 予定が決まる | 直前まで何度も確認する | 先の約束をなるべく避ける |
| 気持ちを聞かれる | 相手の本音を読みに行く | 話題を変える |
| 衝突する | 関係が壊れることを恐れて譲る | その場を離れて一人になる |
どちらの反応も、その場を乗り切るための工夫です。問題は、同じ反応を繰り返すうちに、相手が疲れていくことです。
自分の反応に気づいたら、相手を変える前に、反応の代わりになる行動を1つ用意してください。確かめる代わりに1回だけ待つ、離れる代わりに理由を短く伝える、といった形です。
軸を測るときの注意
自己評定では、いまの関係の状態が回答に影響します。
特定の相手との関係が揺れている時期に受けると、普段より不安の値が高く出ることがあります。
| 相手 | 記録すること |
|---|---|
| パートナー | 不安と回避のどちらが前に出たか |
| 友人 | 連絡の頻度と、待てた長さ |
| 家族 | 頼みごとを断れたか |
記録するときは、相手ごとに分けてください。相手によって反応が変わること自体が、重要な情報です。
当サイトは、数値の比較より、場面の記録をすすめています。
まとめ
4つの類型は、2つの軸の組み合わせに名前をつけたものです。まず類型の名前を覚えるより、不安と回避のどちらが自分に強く出るかを観察してください。
この記事の立場 理論の成り立ちと用語は出典を明記しています。診断結果の正確さを保証するものではなく、医療・採用・他者の評価には使いません。
出典
- Wikipedia「愛着理論」(ボウルビィ、エインズワースのストレンジ・シチュエーション法)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E7%9D%80%E7%90%86%E8%AB%96(2026-09-28 取得)
注記 4類型はバーソロミューとホロウィッツ(1991)、不安と回避の2次元はBrennanら(1998)によるもので、場面例と説明は当サイトの記述です。
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