大人の愛着スタイル — 2つの軸で見る|心コンパス

愛着スタイル

大人の愛着スタイル — 2つの軸で見る

不安と回避。4タイプは、この2つの組み合わせに名前をつけたものです。

2026.09.28 / 読了目安 約3分

愛着スタイルは、人との距離の取り方の癖を説明する枠組みです。4つの類型で語られることが多いのですが、実際には2つの軸の組み合わせとして理解するほうが扱いやすくなります。

2つの軸

軸は、不安と回避です。どちらも「高い・低い」の連続で、0か1かではありません。

軸高い側低い側
不安見捨てられることを恐れ、相手の反応を確かめたくなる相手を信頼し、そばにいなくても大丈夫でいられる
回避近づきすぎると息苦しくなり、距離を取ろうとする親密さを保ちながら、自分を保てる

4つの組み合わせ

2つの軸の高低を組み合わせると、4つの類型になります。類型は、軸の位置につけた名前だと考えると分かりやすくなります。

類型不安回避現れやすい形
安定型低い低い親密さと自立のバランスが取りやすい
不安型高い低い相手の気持ちを確かめたくなる。連絡が減ると不安が強まる
回避型低い高い距離を保ちたい。干渉されると引いてしまう
恐れ・回避型高い高い近づきたいのに怖い。自分でも扱いにくいと感じやすい

理論の成り立ち

愛着の考え方は、乳幼児と養育者の関係の観察から始まりました。その後、成人の親密な関係にも同じ枠組みが当てはめられ、自己についてのモデルと他者についてのモデルの2つから4類型に整理する考え方が示されました(バーソロミューとホロウィッツ、1991年)。

つまり類型の違いは、親密さを求める力と、距離を取る力の強さの違いから生まれます。性格全体を分類するものではありません。

自分の傾向を読む手順

  1. 親密な関係で、不安が強く出た場面を1つ思い出す。
  2. 同じ関係で、距離を取りたくなった場面を1つ思い出す。
  3. 2つの場面で、自分が実際にしたことを書く。相手の評価は書かない。
  4. 不安と回避のどちらが強いかを選ぶ。両方強い場合は、そのまま記録する。
  5. 半年後に同じ作業をやり、場面が変わったかを見る。

使うときの注意

注意点が2つあります。1つは、愛着スタイルは診断名ではないことです。日常の傾向を整理する言葉として使ってください。医療的な判断を置き換えるものではありません。

もう1つは、関係や時期によって現れ方が変わることです。特定の相手にだけ不安が強くなる、ということはよくあります。当サイトは、類型を相手の評価に使うことをすすめません。

この記事の立場 2軸と4類型の整理は当サイトの記述です。理論の成り立ちについては、引用した資料の記載にもとづきます。

よくある質問

安定型が最もよい型ですか。

優劣はありません。安定型は扱いやすい類型ですが、安定していることが望ましい性格という意味ではありません。

相手の愛着スタイルを知りたいです。

当サイトの記事から相手を判定することはできません。また、判定して関係を決めることもすすめません。

不安と回避の両方が高いと言われました。

恐れ・回避型として整理されます。近づきたい気持ちと怖さが同時に動くため、自分でも扱いにくく感じやすい類型です。

類型がどれにも当てはまりません。

中間の値にいる場合はよくあります。類型に収めるより、2つの軸の位置として記録してください。

関係の中で出る場面の例

軸の強さは、抽象的に考えるより、具体的な場面で見たほうが分かります。次の場面で、自分がどう動くかを思い出してください。

場面不安が強い場合回避が強い場合
返事が遅い理由を確かめたくなる気にしないふりをして距離を置く
予定が決まる直前まで何度も確認する先の約束をなるべく避ける
気持ちを聞かれる相手の本音を読みに行く話題を変える
衝突する関係が壊れることを恐れて譲るその場を離れて一人になる

どちらの反応も、その場を乗り切るための工夫です。問題は、同じ反応を繰り返すうちに、相手が疲れていくことです。

自分の反応に気づいたら、相手を変える前に、反応の代わりになる行動を1つ用意してください。確かめる代わりに1回だけ待つ、離れる代わりに理由を短く伝える、といった形です。

軸を測るときの注意

自己評定では、いまの関係の状態が回答に影響します。

特定の相手との関係が揺れている時期に受けると、普段より不安の値が高く出ることがあります。

相手記録すること
パートナー不安と回避のどちらが前に出たか
友人連絡の頻度と、待てた長さ
家族頼みごとを断れたか

記録するときは、相手ごとに分けてください。相手によって反応が変わること自体が、重要な情報です。

当サイトは、数値の比較より、場面の記録をすすめています。

まとめ

4つの類型は、2つの軸の組み合わせに名前をつけたものです。まず類型の名前を覚えるより、不安と回避のどちらが自分に強く出るかを観察してください。

この記事の立場 理論の成り立ちと用語は出典を明記しています。診断結果の正確さを保証するものではなく、医療・採用・他者の評価には使いません。

出典

注記 4類型はバーソロミューとホロウィッツ(1991)、不安と回避の2次元はBrennanら(1998)によるもので、場面例と説明は当サイトの記述です。

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